3.「Accountech RPA」--会計に特化したサービス拡充
会計システム「OPEN21 SIAS」を開発、販売するICSパートナーズ(千代田区)は、10月1日に発売する会計専用RPAソフト「Accountech RPA」を紹介。会計業務における定型作業をロボットで正確、素早く実行できるという。
ICSパートナーズの代表取締役社長を務める峯瀧健司氏は「会計業務は範囲が多岐にわたる反面、一つ一つの業務が少ない。一般的なRPAとマッチせず、特化したRPAが欲しいという声が多かった」と開発の経緯を語る。
汎用性を追求せず、OPEN21 SIASでしか動作しないオプション製品という位置づけだが、手応えを感じているという。ICSパートナーズは1年前の同イベントで人工知能(AI)を活用した学習するOCR「Accountech OCR」を発表。Accountech RPA同様にオプションという位置づけの製品だが、非常に好調だったと振り返る。今回のセミナーの盛況ぶりに加え、前回の成功体験が自信の裏にあるようだ。
峯瀧社長自らが登壇するセミナーは人があふれる
「AIもOCRもRPAも会計に特化した製品がなく、すべて自社開発した。Accountechシリーズを通して、会計(アカウンティング)を先端のテクノロジーでサポートしていく」(峯瀧氏)
税別価格は、Accountech RPAが100万円から、Accountech OCRが200万円から。
4.「SMILE」--スムーズに連携できるサービスを紹介
大塚商会(千代田区)は、基幹系システム「SMILE」シリーズを開発する子会社のOSK(墨田区)、勤怠管理ソフト「勤次郎」を開発、販売する日通システム(千代田区)と共同でブースを構成。基幹業務システムの情報サイト「ERPNAVI」を運営する部隊が中心となり、会計システムを軸に総務や人事、経理担当の手間になりがちな業務を電子化、効率化できるサービスを選んだという。
勤次郎の勤怠情報を「SMILE 人事給与」に取り入れることで勤怠情報を自動計算する連携サービスのほか、帳票配信を自動化するコクヨ(大阪市東成区)の「@Tovas」、Excelなどから情報を収集、資料化を促進するインプレス(中央区)の「iFUSION」など、出展3社以外も含めて連携して構成する計13のサービスを紹介。いずれも顧客の声をもととして、スムーズに連携できるという。増税や元号変更、残業時間などをテーマに、「働き方改革」をキーワードにしたブース構成で人を集めていた。
5.「SuperStream-NX オフィスロボット(経理・人事)」--専用化したRPAを提供
スーパーストリーム(品川区)では、開発する統合基幹業務システム(ERP)パッケージ「SuperStream-NX」を紹介。集めた情報でグループ全体を分析できる「グループ経営管理(GM)」、データ受け渡しのためにシステム間を連携させる企業アプリケーション統合(EAI)ツール「Connect」など、ニーズと合わせて機能を拡張、オプションとして提供しているという。
2018年7月には「WinActor」をエンジンにしたRPAサービス「SuperStream-NX オフィスロボット(経理・人事)」を発表。スーパーストリームの企画開発本部 商品企画部で担当マネージャーを務める山室佐也香氏は、「一般的なRPAは自分たちで業務を記録、再現してシナリオを作る必要があるが、会計、人事、経理などの担当者は、必ずしもITリテラシーが高くない」とサービス化の経緯を説明。シナリオが作れない、RPAが動かなくなったなど、悩みを抱える担当者からの声が背景にあると語る。
「繰り返しやルーチンに近い、人の処理が必要ない部分のエンジン、スキル、設定ファイルの3つをまとめてテンプレート化している。当初は経理向けが8つ、人事向けが7つだったが、それぞれ9つまで増えた。今後も増やしていく」(山室氏)
9つずつのテンプレート(出典:スーパーストリーム)
年間の税別利用料は、エンジンが1クライアント24万8000円、経理、人事給与のスキルがそれぞれ1式120万円。