Alphabetのムーンショットプロジェクト部門であるXから生まれたサイバーセキュリティ会社Chronicleが、正式にGoogle Cloudに加わることになった。これはGoogle Cloudのセキュリティ製品ポートフォリオを強化するための取り組みの一環だ。ChronicleはAlphabetの独立子会社であり、Googleの技術を利用してサイバーセキュリティインテリジェンス/アナリティクスプラットフォームを開発している。
Chronicleは3月に、同社の初めての製品である「Backstory」を発表している。この製品は、企業が「社内のセキュリティに関するテレメトリーを非公開でアップロード、保存、分析することで、潜在的なサイバー脅威の検出や調査を行う」ことを可能にするクラウドサービスだ。
Google Cloud Platformと組み合わせることで、Chronicleとしては顧客企業へのサービス提供が容易になり、Google Cloud側はChronicleのアナリティクスベースのセキュリティツールによって製品を強化することができる。Googleのブログ記事には次のように説明されている。
世界中の企業、政府機関、組織が直面している脅威は、ますます高度で緊急性の高いものになっている。Google Cloudでは、データの安全な保管や、クラウドとオンプレミスの両面での脅威に対する防御への顧客のニーズを最優先に考えている。わが社はセキュリティに対して、プロセッサーからデータセンターまでを含む包括的なアプローチを取っており、セキュリティ対策を拡充し、それらを連携させることで大規模に多層防御を提供している。それらの対策には、ハードウェアインフラやサービスのデプロイメントから、ユーザーアイデンティティ、ストレージ、インターネット通信、セキュリティ運用までが含まれる。顧客のニーズに応えてChronicleとGoogle Cloudの取り組みを集約していくことで、これらの必要不可欠な対策を一体的に顧客に提供したいと考えている。
大きな視点から見れば、今回のChronicleとGoogle Cloudの合併は、Thomas Kurian氏がGoogle Cloudの最高経営責任者(CEO)に就任してからの6カ月間で進められてきたほかの動きと連動したものだ。Googleは5月にビジネスインテリジェンスプラットフォームを提供しているLookerを26億ドル(約2800億円)で買収し、同社の製品をGoogle Cloud Platformに統合すると発表している。最近のAloomaの買収や、Cask Dataの買収によって実現したデータパイプラインツール「Cloud Data Fusion」のリリースも一連の取り組みだと捉えていいだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。