総務省、脆弱なIoT機器の調査と注意喚起の状況を初公表

ZDNET Japan Staff

2019-07-01 14:51

 総務省は6月28日、2月20日に開始した国内の脆弱なIoT機器の調査と注意喚起などを行う「NOTICE(National Operation Towards IoT Clean Environment)」プロジェクトの実施状況を初めて発表した。

 NOTICEは、IoT機器の管理機能にアクセスするためのパスワードが初期設定のままでマルウェア感染などの危険性のある脆弱なIoT機器の把握と、その機器の利用者に設定確認などの注意を行う取り組み。調査を情報通信研究機構(NICT)が行い、その結果をもとにプロジェクト参加のインターネットサービスプロバイダー(ISP)から利用者に注意喚起を行う。また「NOTICEサポートセンター」が利用者への対応支援に当たる。

 同省によると調査は、対象となる国内約2億のIPアドレスのうち、必要な手続きが完了しているISP33社に関連する約9000万アドレスについて実施された。対象アドレスにポートスキャンを行い、接続可能かつ認証要求のあった機器については、法令改正で許可された「特定アクセス行為」として過去のサイバー攻撃などに用いられた100通りのIDとパスワードの組み合わせを使ってログインを試行する。

 その結果、IDとパスワードが入力可能だったIPアドレスは約3万1000~約4万2000件あり、このうちログイン試行の状況から注意喚起の対象となったアドレスは延べ147件だった。また、ISPへの通知対象になったアドレスは1日平均112~155件だった。ISPから対象利用者への注意喚起は6月に開始された。

2019年6月時点の「NOTICE」の実施状況(出典:総務省)
2019年6月時点の「NOTICE」の実施状況(出典:総務省)

 この状況について同省は、「容易に推測されるIDやパスワードを設定していたり、既にマルウェアに感染したりしていると判明したIoT機器の数は少ない状況と考えられるが、今後も適切な設定やセキュリティ対策の徹底に努めることが重要」とコメント。「NOTICE」は今後5年間続けられる予定で、今後もIoT機器のセキュリティ対策の向上やIoT機器を悪用したマルウェアの活動状況の把握など取り組むとしている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]