InfragisticsはUXツール、UIコントロールの2つを柱にしてきたが、3本目の柱となるのが“データ可視化”である。2016年からリリースしている「ReportPlus」を置き換えるRevealはMicrosoft SQL ServerやMySQL、PostgreSQL、Oracleなどの主要なデータベースに加えて、SharePoint、Dynamics CRMなどのウェブアプリケーション、さらに各種クラウドストレージに格納したExcelファイル、ODataフィードやREST APIなど各データソースへの接続機能を提供する。
取得したデータをもとに約40種類のデータパターンで可視化し、アクセス権限に応じて閲覧や編集の制限を設けることもできる。Reveal Appで作成したダッシュボードはReveal Embeddedに含まれるSDKを用いることで自社製アプリケーションの一部として利用できる。
Reveal Embeddedに含まれるSDKはWPF(Windows Presentation Foundation)製デスクトップアプリやiOS向けのObject-C、Android向けのJava、ウェブに対応し、Infragisticsが用意したクラウドにダッシュボードデータを格納して各OSから利用できる。
インフラジスティックス・ジャパン 代表取締役 東賢氏
ドラッグ&ドロップによるダッシュボードの編集など各種機能はプラットフォームで同一のものを提供し、Reveal Appや各クラウド上で稼働するSaaS版やオンプレミス版でも同等。SaaS版は別途価格設定を用意する。
インフラジスティックス・ジャパンの調査によれば、「Power BI」など著名なクラウドベースのビジネスインテリジェンス(BI)ツールと比較したところ、5年間で8~12倍のコスト差が発生するという。
インフラジスティックス・ジャパン 代表取締役 東賢氏はSaaS版Revealについて「特定のクラウドベンダーに依存していない。コスト面で使いやすい製品を目指している」と回答。Beres氏も「あらゆるユーザーがスマートな意思決定を可能にすることを目標にした。美しくシンプル、製品のデリバリーにおいて(他のBIソリューションとの)差別化が可能」と説明した。
スーパーストリーム 取締役 企画開発本部長 山田誠氏
スーパーストリームは、統合基幹業務システム(ERP)パッケージ「SuperStream」の会計・人事給与モジュールに組込型の「ReportPlus Embedded」を採用。同社取締役 企画開発本部長 山田誠氏は「経理人事だけではなく(BIソリューションの)利用者が増えている。経営意思決定者にとどまらず、従業員がデータを使う時代。直感的な分かりやすさが求められている。マルチデバイスの対応も、使い勝手がよいプロダクトを開発できる」とSuperStreamの次期製品でもReveal Embeddedの採用を明言した。