松岡功の一言もの申す

ワークデイとリセラー契約を結んだ日本IBMの思惑

松岡功

2019-07-04 10:32

 日本IBMとワークデイが先頃、ワークデイのSaaSサービス「Workday Human Capital Management(HCM)」の国内販売でリセラー(再販)契約を結んだと発表した。日本国内でワークデイとの再販契約は日本IBMが初めてとなる。果たして、日本IBMの思惑とは――。

Workday HCMをワンストップサービスで提供

 「今回の契約によって、当社はお客さまに対してWorkday HCMを販売するだけでなく、人事をはじめとしたデジタル変革に向けたコンサルティングからシステム構築、サポートまでをワンストップサービスとして提供できるようになった」(日本IBMの我妻三佳 執行役員グローバル・ビジネス・サービス事業本部クラウドアプリケーション・イノベーション担当)

 「Workday HCMをワンストップサービスで提供してほしいというお客さまの声をかねて数多くいただいてきた。今回の契約で、日本IBMにその役目を担っていただけるようになり、たいへん心強く思っている」(ワークデイの鍛冶屋清二 社長執行役員)

 今回の両社の発表会見に臨んだ日本IBMの我妻氏とワークデイの鍛冶屋氏は、ワンストップサービスの実現に向けた再販契約締結の意義について、それぞれの立場からこう強調した(写真1)。

写真1:会見に臨む日本IBMの我妻三佳 執行役員グローバル・ビジネス・サービス(GBS)事業本部クラウドアプリケーション・イノベーション担当(左)とワークデイの鍛冶屋清二 社長執行役員
写真1:会見に臨む日本IBMの我妻三佳 執行役員グローバル・ビジネス・サービス(GBS)事業本部クラウドアプリケーション・イノベーション担当(左)とワークデイの鍛冶屋清二 社長執行役員

 ワークデイは、Workday HCMなどをグローバル展開している米Workdayの日本法人で、今回の契約は日本IBMとWorkdayの間で取り交わされた。

 両社の具体的な協業内容は、日本IBMから見て表1の通りになる。IBMとWorkdayは、2016年8月にグローバルで戦略的パートナーシップを締結しており、さらに米IBMは日本法人を含む世界101カ国で30万人を超える従業員がWorkday HCMを活用する世界最大級のユーザーでもある。そのユーザーとしての経験やノウハウの蓄積が、今回の再販契約の大きなバックボーンとなっているようだ。

表1:日本IBMから見た両社の協業内容
表1:日本IBMから見た両社の協業内容

 また、日本IBMは2017年7月、社内に「Workdayコンピテンスセンター」を開設し、同センターを通じて日本IBMのWorkday認定コンサルタントとWorkdayの営業および技術者が、両社共通の顧客に対するコンサルティングサービスを提供してきた。そうした経緯から、今回の再販契約締結はこれまでの両社のパートナーシップをさらに強化し、日本の企業に向けてより幅広くWorkday HCMを提供可能とするものだとしている。

 なお、ワークデイの事業戦略については、2019年4月3日掲載の本サイトのトップインタビュー「攻めの人事へ―ワークデイが説く企業の人材活用術」をご参照いただきたい。

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