「Watson」を活用するIBMのマーケティングプラットフォームが別会社として独立

Stephanie Condon (CNET News) 翻訳校正: 編集部

2019-07-08 10:25

 IBMの「Watson Marketing」プラットフォームが独立企業として正式にスタートを切った。IBMはおよそ3カ月前に、同プラットフォームを推進するコマースおよびマーケティングクラウド事業を投資管理会社Centerbridge Partnersに売却すると発表していた。マーケティングの自動化ツールや、マーケティングアナリティクス、広告、コンテンツ管理ツールを提供するこの新会社の社名とブランドは、7月中に発表される予定となっている。

 新会社の最高経営責任者(CEO)Mark Simpson氏は、この新会社がAdobe SystemsやOracle、Salesforceといった大手クラウドマーケティング企業と競合するうえで、十分な成熟度と十分な機動力を有していると述べている

 同氏は「立ち上げ初日から1000名を超える従業員を抱えている我が社は、小規模企業とはとても言えない。しかしわれわれは、数あるマーケティングクラウド企業のなかで最も機動力があり、業界の変化に最も迅速に対応できる企業の1社と言える。競合企業のように関係のない事業や、大企業ならではの社内体制に足を引っ張られることがないのみならず、彼らと同等の経験や能力を有しており、マーケターに100%フォーカスできる」とブログに記している。

 業界は現在、マーケティングにとどまらず、総合的な顧客エクスペリエンスに焦点を当てたプラットフォームへとシフトしている。Adobeは6月、B2Bマーケターと販売チームの間のコラボレーションを促進する「ABM Essentials」という新たなサービスの提供を開始している。

 同氏はブログ投稿において、新会社での優先取り組み事項をいくつか挙げている。そのなかには、マーケティングテクノロジーの枠を超えた拡大が含まれており、マーケティングと広告を融合する新たなパートナーシップを近々発表すると約束している。さらに同氏は、「オープンなマーケティングエコシステム」を拡大し、同社とその他の企業の協力を容易にしていくとも約束している。

 また、この新会社は「強力なデータサイエンティストチーム、そしてより多くの製品デザイナーに投資することで、人工知能(AI)にさらに注力していく」としている。

 さらに同氏は、初期の優先取り組み事項には、同社が基盤にしているデータ構造の統合による、同社の製品間での相互連携機能の強化もあるとしている。

 Centerbridge Partnersによる同事業の買収が完了したことで、IBMは新たな優先事項に注力していけるようになる。Red Hat買収を通じて強化される、マルチクラウドとハイブリッドクラウドの管理に向けた取り組みもその1つだ。

 IBMのゼネラルマネージャーであるInhi C. Suh氏は4月のブログ投稿で、「本日よりIBMは、付加価値の高い新興のIT分野に対して真正面から取り組み、AIやハイブリッドクラウド、SaaS、ブロックチェーン、サプライチェーンをはじめとする戦略的テクノロジーにおけるわれわれのリーダーシップを加速させていく」と記している

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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