- 採用プロセスの刷新:企業は人材獲得に関する考え方を変えなければなりません。職場でのダイバーシティに関してリーダーが目指すものを改めて定義し、人材獲得のプロセスとワークフローを刷新し、またすべての世代からの求職者にとって魅力的となるような給付などを含めて求人票の内容を見直す必要があります。また従業員のスキル向上への取り組みを強化すれば、熟練労働者の不足を軽減できる可能性も生まれます。
- 継続的教育とトレーニングのための戦略を立案:プロフェッショナルは学ぶことを止めてはならないと誰もが承知していますが、このことは言うは易く行うは難しとなる場合もあります。標準的なトレーニングプログラムの多くは初心者のみを対象として作られています。新たな職務を開始できるよう新入社員を教育することは重要ですが、しかし企業はそれと同時に、多様な世代の人々が存在する職場において要求されることや、厳しい仕事のスケジュールに合ったトレーニングプログラムも確立しなければなりません。
- 複数世代によるチーム構築の促進:多様な世代を含むチームは、他の年齢グループのものの見方や行動に対する理解を改善できます。これには複数の世代の従業員が相互にそれぞれの持つスキルを学び、またそれを生かすことのできる、リバースメンタリングと呼ばれるプログラムが含まれることもあります。
- 仕事における柔軟性を拡大:より柔軟な勤務条件は、職場での仕事と家族の一員としての義務や社会生活をより容易に組み合わせることが可能になるという面で、すべての世代の従業員に極めて大きな恩恵をもたらします。従業員が自宅で仕事できる、あるいは勤務時間を調整できる環境を構築することにより、企業は多様な世代の人々にとってより魅力的な場所となります。
- 職場の再設計:ITはますます増え続ける仕事を支え、あるいはそれをさらに促進さえします。したがって企業は世代や役職を問わず、すべての従業員により優れたエクスペリエンスをもたらすユーザーフレンドリーな職場を実現すべきです。新しいインテリジェントな職場はいずれの世代の人々にも、仕事に必要なすべてのアプリケーションとITサービスへの容易で直感的なアクセスを提供します。
企業は複数の世代からなる従業員からの要求に応えるため、物理的にもIT面でも職場環境を再構築する必要があります。ひとつの世代にのみ注力しても、熟練労働者の不足などの課題をすべて解決することはできません。
人々が自分の好みのスタイルで働くことのできる、より優れた従業員エクスペリエンスは、企業が競争力を維持するための重要なステップのひとつです。人材獲得のための競争が激しさを増している現在、それに勝利を収めるのは世代のダイバーシティに合わせた職場環境を整えた企業です。
- 永長純(ながおさ・じゅん)
- シトリックス・システムズ・ジャパン セールス・エンジニアリング本部 本部長
- 前職ではアジア太平洋地域を担当し、様々な国の企業にビジネスやコスト、人の観点から提案を実施。その経験を生かし、日本企業が国内とグローバル競争で勝つためにワークスタイル変革を含めたソリューションを提供するのがミッション。
- 小林伸睦(こばやし・のぶちか)
- シトリックス・システムズ・ジャパン アジア・パシフィック・ジャパン事業推進本部 ソリューション・推進マネージャー兼エバンジェリスト(総務省テレワークマネージャ)
- イベントやセミナーなどの活動を通して働き方やワークスタイルの変革を推進しながら、「デジタルワークスペース」ソリューションのエバンジェリスト活動を行う。新しいテクノロジで市場の開発を目指す。