本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、NECがこのほど提供開始した「需給最適化プラットフォーム Webサービス版」を取り上げる。
異種混合学習技術を活用した需要予測サービス
NECは先頃、製造、卸、物流、販売といったバリューチェーンにおける需要と供給を最適化する「需給最適化プラットフォーム」のサービスを拡充し、ウェブブラウザから手軽に利用可能な「需給最適化プラットフォーム Webサービス版」を「Amazon SaaSストア」から提供開始すると発表した。
来客数や出荷数、販売数などの需要予測は、需給計画や発注業務の効率化の鍵として、幅広い業種において活用されている。このニーズに向け、NECはAI(人工知能)技術群「NEC the WISE」の1つである「異種混合学習技術」を活用することで、高精度な需要予測を要因分析と合わせて行える「需給最適化プラットフォーム」を提供してきた。
さらに同社は今回、さまざまな業種における需要予測ニーズに応えるため、ウェブブラウザからより手軽に高精度な需要予測を利用できるサービスを提供開始した形だ。
このサービスは、定型予測を行う「客数予測分析」と非定型予測を行う「多目的予測分析」の2つのメニューから構成される。客数予測分析は同社独自の分析モデル設計を用いることで、利用者はデータを入力するだけで来客数の予測を簡単に行うことができる。一方、多目的予測分析は利用者が分析モデルを設計し、販売数や出荷数など独自の予測を可能としている。(図1)
図1:多目的予測分析の画面イメージ(出典:NEC)
両サービスは従来の需給最適化プラットフォーム同様、利用者が保持する販売実績などのさまざまなデータに加えて、NECから提供する気象情報などの関連データを組み合わせて利用できる。また、予測に影響を与える要因分析も行えるため、業務分析への活用も可能としている。価格は、客数予測分析が月額4万9800円から、多目的予測分析が月額9万9800円から。