
Stuxnet
「Stuxnet」に関しては今回紹介しているマルウェアのなかで唯一、ドキュメンタリー映画が制作されている。
StuxnetはNSAと、イスラエル国防軍でサイバー攻撃/防御を担当する8200部隊が2000年代に協力して開発したとされるマルウェアだ。同マルウェアによる攻撃は、イランの核開発プログラムを妨害するという両国の取り組みの一環としてイランに対して2010年に仕掛けられた。
攻撃時に4つの異なるゼロデイ脆弱性を悪用したとされているStuxnetは、産業制御システムに的を絞って開発されたマルウェアだ。Stuxnetの役割は、核濃縮施設に設置された遠心分離機の設定を変更し、ローターの速度を上下させて振動を誘発し、破壊することだった。
このマルウェア攻撃は成功し、20万台を超えるコンピューターに感染した結果、イランのナタンズ核施設にある1000基近くの遠心分離機が破壊されたという。