Box Japanは7月16日、ワークフローを作成するオプション「Box Relay」の新版の提供を開始した。Box Relayは6月から米国で提供を開始しており、ステップ数に制限がある無償版とユーザー数で課金する有償版の2種類を用意する。
クラウドストレージであるBoxは以前から共同作業を自動化する「Automations(自動化)」という機能を備えていた。ノンコーディングでBoxのフォルダにアップロードされたファイルにメタデータを付与することで、社外に持ち出す書類の回覧など、どの企業でも見かける業務プロセスの自動化を担うものだった。
Box Japan 執行役員 Sales Engineering & GTM Enablement部 部長 西秀夫氏
Box Japan 執行役員 マーケティング部 部長 三原茂氏
オプションで利用できるBox Relayの新版はAutomationsを統合したものだが、その理由として執行役員 Sales Engineering & GTM Enablement部 部長 西秀夫氏は「契約書など企業の文書管理に用いるECM(エンタープライズコンテンツ管理)はレガシーシステムだった。管理者による設定が求められ、トリガーやアクションが少なかった。また(Automationsは)他のBoxオプションと連携できない」ためだと説明する。
Box Relayは、ファイルやフォルダの作成、アップロードといったイベント、メタデータの状態などに応じて作業フローを自動化するBoxオプションである。新版では「IFTTT(If This Then That)」のトリガーと出力に対応し、イベントの種類も拡充した。
メタデータの状況に応じてBoxオプションとの連携などを自動化する「クラウド時代に関連企業や顧客とのコラボレーションを可能にするECM」(執行役員 マーケティング部 部長 三原茂氏)と表現。OneDrive for BusinessとMicrosoft Flow、DropboxにおけるDropbox Automatorを連想すると分かりやすい。
同日に開かれた会見では、関連企業からアップロードされた契約書を担当者が承認、次に法務部門による法令対応の確認、そして上長による承認――というシナリオに沿ってBox Relayが実演された。この間、ドロップダウンリストから契約状態をメタデータで管理し、各担当者が必要に応じて変更する。
また、電子透かしや承認後の編集禁止も自動的に付与し、契約完了後はBox Governanceによる保管期間の設定も披露された。一連のフローを作成する「ワークフロービルダー」はビジネスユーザー向けにデザインを刷新し、ノンコーディングで作成できる。