肥後銀行は7月16日、日立製作所が構築した新勘定系システムの本番運用を開始したと発表した。同システムはLinuxベースによるオープン勘定系システムとして構築され、日立製作所では従来のメインフレームの信頼性を継承し、システム構築や運用コストの最適化を図るほか、銀行利用者向けのサービス品質の向上や新商品・サービス開発の迅速化などを支援するとしている。
新システムでは、日立が開発したAPI連携を高度化する「バンキングハブ」機能を採用した。さまざまなシステムやチャネルと柔軟に連携でき、外部の金融サービスなどとも容易に接続できることで、利用者ニーズや事業環境の変化に応じた多様な商品・サービスの展開、他産業との異業種連携を含む新たな価値創出の検討が促進されるなどの効果が期待されるという。
また、日立が運営する国内2カ所のデーターセンターに同様の本番運用が可能な構成で運用する。肥後銀行は、熊本地震の経験を踏まえてこの構成を採用し、24時間365日のフルバックアップでの稼働もできると説明している。
基盤はオープン系を採用することで、肥後銀行の経営戦略に沿う新サービスを柔軟かつ迅速に提供できるようにすると同時に、システム構成の簡素化で運用や保守コストを大幅に削減した。
新システムへの移行に際して肥後銀行では、7月12日午後9時から同16日午前7時までATMを含む全てのオンラインサービスを一時的に休止させたという。