ワールドワイドウェブ(WWW)の生みの親であるTim Berners-Lee氏は、ポルトガルのリスボンで2018年11月5日に開催された「Web Summit」で、当時30周年を迎えたウェブを今後何世代にもわたって強化し保護するため、「Contract for the Web」(ウェブのための協定)を作成する取り組みに協力してほしいと呼びかけた。それから9カ月が経過した今、その協定の最初の草案が公開された。Berners-Lee氏は、今後の展開の仕方について、人々の意見を求めている。
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Berners-Lee氏は、欧州原子核研究機構(CERN)で若き物理学者として働いていたときにWWWを生み出したが、ヘイトスピーチが拡散したことに動揺し、検閲や政府によるインターネットの閉鎖についても同じく懸念している。同氏の現在の目標は、WWWの未来を保護し、よりよいものにするため、インターネットユーザーを含むさまざまな分野から署名を集めることだ。
当初より、Berners-Lee氏はこの協定について、さまざまな人々が協力するオープンソースに近い形態の文書にした。協定には、政府、企業、市民を対象とするガイドラインが含まれるが、協定の策定に関して、それら3つのグループの意見も求めている。草案を今公開することで、この協定に関する議論が活発化し、次の草案に反映すべきフィードバックがもたらされることを、Berners-Lee氏が創設した非営利組織World Wide Web Foundationは期待している。
この協定の主な焦点の1つはアクセシビリティー、つまり、あらゆる人がインターネットにアクセスできるようにすることだ。政府にとって、これは、どこに住んでいる人でも積極的にオンラインに参加できるようにすることを政策目標として掲げることを意味する。さらに、そのアクセスを制限したり遮断したりしないことや、人々のプライバシー権を保護することも意味する。企業にとっては、体系的に排除されたグループのニーズに対処する方法や、データ保護権を守り支持することについて、もっと積極的に考えることを意味する。
この協定は、市民である私たちに対して、クリエーターやコラボレーターになり、あらゆる人にとって魅力的なコンテンツ群がウェブ上に存在する状態を維持することを求めている。それは、市民の談話と人間の尊厳を尊重する強力なコミュニティーの構築に参加し、ウェブがグローバルな公的資源として開かれた状態を維持できるように戦うことも意味する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。