富士通の新サービスに見る「サブスクリプション型ビジネス」のポテンシャル - (page 2)

松岡功

2019-07-25 07:00

当初から「eコマース×サブスクリプション」を指向

 以上が発表の内容だが、今回このサービスに注目したのは、サブスクリプション型ビジネスのさらなる広がりを予感させるものと見て取ったからだ。

 同社はこのサービスを始めることにした背景について、以下のように説明している。

 「シェアリングエコノミーの広がりに伴い、顧客の価値観が所有から利用へと移り変わる中、多くの企業がサブスクリプション型ビジネスに取り組み始めている。しかし、ICT市場ではこうしたビジネスに対応できるソリューションが限られているのが現状で、既存ソリューションのカスタマイズや独自システム開発での対応を余儀なくされている」

 さらに、こう続けている。

 「当社はこれまで、さまざまな業種、業態の事業者に対してeコマースソリューションを提供する中で、ビジネス企画やコンセプト策定、システム構築、稼動後の運用から改善提案まで一連のサイクルに対応。そこで得られたノウハウを生かし、このほどeコマースにおけるサブスクリプション型ビジネスに対応するSaaS型サービスを提供することにした」

 改めて、今回の新サービスならではの先進的な点を富士通の広報に確認してみたところ、「eコマース構築ソリューションの一部として、他のSNAPECシリーズの商品や、eコマースに関するコンサルティングサービスなどの従来商品を組み合わせることで、事業者に最適なeコマースソリューションを提供できる点」とのことだった。

 さらに、「サブスクリプションサービスを提供するベンダーは他にもいるが、それをeコマース全体に対応させるのは結構難しい」とも。それをもってサブスクリプション型ビジネスが実現するとあって、同社では新サービスのポテンシャルに大きな期待を寄せている。

 いわば、当初から「eコマース×サブスクリプション」を指向した今回のサービス。まさしく“旬”の動きだけに、今後の進展に注目しておきたい。

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