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テレワーク比率は84%、紙も9割削減--働き方改革進める味の素の徹底ぶり

阿久津良和

2019-07-30 06:45

 1909年に創業し、現在では世界130カ国超で製品展開する味の素は、21世紀に向けた社会課題に焦点を当て、「健康なこころとからだ」「食資源」「地球持続性」を基軸に企業活動を続けている。

 同社は「味の素グループシェアードバリュー(Ajinomoto group Shared Value:ASV)」をキーワードに以前から働き方改革に取り組んできたが、大きな変化を生じたのが2015年度。それまで人事部が中心となって取り組んでいた働き方改革へのアプローチを、全社横断型に組織改編することで本格的な成果が生まれるようになる。

 平均1976時間の総実労働時間が下降現象が発生し、2018年度は1820時間まで短縮。時間や人あたりの売上高は2016年度にひとたび下降するものの、そこから右肩上がりで2015年度の数値を大きく上回ったという。

 この成果について、Box Japanが7月23日に都内で開催したイベント「Box World Tour Tokyo 2019」の講演「味の素流働き方改革とそれを支えるITの考え方」に登壇したグローバルコーポレート本部 シニアマネージャー 兼 情報企画部 IT基盤グループ長 金田智久氏は「経営層主導のマネジメント改革と個々が取り組むワークスタイル改革で実現した」と説明する。

味の素 グローバルコーポレート本部 シニアマネージャー 兼 情報企画部 IT基盤グループ長 金田智久氏
味の素 グローバルコーポレート本部 シニアマネージャー 兼 情報企画部 IT基盤グループ長 金田智久氏

 マネジメント改革は時間生産性の目標を定めつつ、会議やメールの改革、業務の標準化や自動化、組織のPDCAを強化する職場懇親会や環境課題検討会を実施。ワークスタイル改革の文脈では、所定労働時間を1日あたり20分短縮し、就業時刻の前倒し、テレワークやフリーアドレスを導入している。

 所定労働時間の短縮は賃金の減少が発生するため、味の素は1万4000円に相当する実質的な賃上げで補完した。それまで午前8時45分~午後5時20分だった就業時刻を、2017年度から午前8時15分~午後4時30分に変更。朝8時まで出社すれば、モーニングを無料提供するなど福利厚生を強化した。

 同社では2017年度からテレワークに「どこでもオフィス」という名称で社内外の基盤整備や多くの従業員に利用をうながす風土の醸成に取り組んでいる。ルール面では週1回の出社以外は利用制限を設けず、前日までに上長に申請すればよいという。

 ITの側面ではバッテリー駆動時間の長いPCの全社導入や社外のサテライトオフィス契約、未使用の社宅をサテライトオフィス化する取り組みも進めた。外部から安全にアクセスするためVPN環境も用意する。

 「仕事と育児の両立を目指す女性社員が多く利用しているが、若手男性社員も活用し、子どもの送り迎えにも柔軟に対応している」(金田氏)

 この他にもヘッドセットや「Skype for Business」を使えるようにするとともに、会議室にもデジタルホワイトボード「Surface Hub」にスピーカーやマイクも設置している。

 オフィスも見直した。昨今のモダンオフィスと同じく開放感を意識し、ミーティングスペースを拡充するとともに通路幅を大きく確保しているが、興味深いのがキャビネットの大幅削減だ。

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