シュナイダーエレクトリックは7月29日、セキュアパワー事業部の事業方針説明会を開催、6月に取締役 セキュアパワー事業部バイスプレジデントに就任した多田直哉氏が、エネルギー管理を軸にデータセンターやエッジコンピューティング領域に注力すると表明した。
6月にシュナイダーエレクトリック 取締役 セキュアパワー事業部バイスプレジデントに就任した多田直哉氏
多田氏は、外資系通信会社やシスコシステムズ、日本ヒューレット・パッカード、日本オラクルを経て現職に就任、「今までクラウドからハードウェア、ソフトウェア、サービスと多岐にわたる製品やソリューションを担当してきたが、常に“顧客ファースト”を大事にしてきた。ITとOT(制御系システム技術)の両面から顧客に貢献していきたい」とあいさつした。
セキュアパワー事業は、「APC」ブランドで展開するデータセンターなどIT機器の電源関連ソリューションのビジネスと、デジタル技術を活用したエネルギー管理ソリューションなどを手掛ける事業部門として発足した。顧客はデータセンターや製造、電力を中心とするエネルギーなどの分野の企業で、「デジタル(IT)とエネルギー(OT)が密接に関係する時代となり、両方を俯瞰できるのがわれわれの強み。大変革の途上にあり、この傾向はますます強まる」(多田氏)という。
セキュアパワー事業部の注力分野
ソリューションとしては、エネルギー管理を強みとしたIoTプラットフォームと位置付ける「EcoStruxure」を展開。ビルディング、データセンター、工場/プラント、電力グリッドにフォーカスし、エンドポイント機器とエッジ、クラウドを含むアナリティクスやアプリケーションの3層で構成される。この基盤を軸に、製品やソストウェアベースのソリューション販売とクラウドベースのサブスクリプション型サービスの2つのビジネスモデルを主軸に据えていくという。
多田氏によれば、同事業部のビジネスとしては従来のデータセンター向けソリューションの比重が大きいものの、今後はシュナイダーエレクトリック内の他部門と連携したソリューションや、エッジコンピューティングなどのビジネス拡大を目指す。例えば設備のリモート監視など、顧客ニーズに応じて自社やパートナーのソリューションを柔軟に組み合わせて提供していくとした。
エネルギー管理を軸足とするIoTソリューションを掲げる
セキュアパワー事業での顧客事例としては、米国の小売チェーン企業がセルフレジやITシステム、データセンターを含む物理的なセキュリティ対策を包括的に導入しているほか、米国の医療サービス会社では冗長化しているデータセンターのリモート監視と運用をシュナイダーエレクトリックのクラウドサービスで行っているという。