身近なところでは「説明にある言葉の意味が分からない」「画面の文字が小さいから、やる気にならない」といった意見も現場から上がり、盲点だったと亀山氏は反省の弁を述べた。
その結果、契約アカウント数270のうち配布済みアカウントは265、ストレージ容量は9.8TBまで拡大した。アクティブユーザー数も67%(2017年2月)→83%(2017年4月)→93%(2017年12月)→95%(2018年11月)→92%(2019年6月)とBoxが社内に浸透した後は90%以上と高い位置で推移している。

石川建設でのアプリケーション別利用率
当初の課題であったセキュリティ対策は、社長直下にICT・情報セキュリティチームを2017年に発足。「現場のワークフローを理解している」(亀山氏)ことからスタッフは各本部から選出し、情報セキュリティ規定を定めるとともに社内説明や勉強会の実施、内部監査やメール訓練を行ったという。
その結果として不正リンクを含むメールの未開封率は25%(2017年8月)→84%(2018年1月)→97%(2018年8月)と順当に向上。亀山氏は「定期的な実施が重要」と成果をアピールした。
その他にもオフィスをモダン化するとともに、iPad約70台を利用したペーパーレス会議など紙資料の削減、Boxを中心としたIT化を推進。ペーパーレス会議システム「moreNOTE」やノンプログラミング開発サービス「kintone」、クラウド型建築施工管理支援システム「IMPACT CONSTRUCTION」などを採用した。
亀山氏は「試用段階のソリューションもあるが、Box活用の経験を生かして業務フローを見直して最適化を図る」と述べつつ、一連の業務改革について「『やってみたい!』が言える環境は精神的負担も大きかったものの、つらくても目の前で業務フローが変化するのは楽しかった」と振り返った。