「顔認証ソリューションforオフィス」の体験記
以上が発表の内容だが、今回このソリューションに注目したのは、適用範囲が広がりつつある顔認証技術がいよいよオフィスにも使われる形になってきたことで、そのポテンシャルの大きさを強く感じるからである。
実は、顔認証ソリューションforオフィスが発表されたとき、筆者は個別にNECの施設で実際に体験する機会を得た。顔認証技術のポテンシャルを感じ取っていただく意味からも、その時の様子について3つの図を使って紹介しておこう。
まず、このソリューションの大まかな内容と仕組みは、図2の通りである。左側がNECの顔認証製品群で、これらを右側の図にあるように、オフィス内でのさまざまな用途に適用してクラウド上で顔情報の共有管理を行う仕組みだ。

図2:「顔認証ソリューションforオフィス」の大まかな内容と仕組み(出典:NEC)
NECによると、顔認証はこれまでそれぞれの用途ごとに適用し、個別に管理されてきたが、このソリューションでクラウドによる顔情報の共有管理が行えるようになった。このクラウド活用の仕組みが、大きなセールスポイントだとしている。
筆者が体験したのは、図3のようなイメージだ。具体的には、「ゲート入退→ドア入退→PC操作→プリンタ操作」といった流れである。あらかじめ顔情報の登録をしておけば、それぞれの用途での認証はまさしく“顔パス”でOK。首にぶら下げているIDカードをかざすよりも簡単だ。

図3:「顔認証ソリューションforオフィス」の体験会の内容(出典:NEC)
図4は、一連の用途の流れにおける導入メリットを記したものである。「オフィス認証が必要なシーン全てを顔認証で統一し、顔情報を一元管理することにより、運用管理者、利用者ともに利便性と運用性が向上」というのが、全体としての導入メリットである。

図4:「顔認証ソリューションforオフィス」の導入メリット(出典:NEC)
このソリューションは、いわば顔認証の「シングルサインオン」である。これがうまく使えるようになれば、オフィスでもまだまだ、さまざまな活用法がありそうだ。
NECのビジネスからすると、同社が注力しているセーフティ事業のフロントエンドソリューションとして、大きな成長の原動力になるのではないか。その思惑があるのは間違いないだろう。今後、顔認証技術がオフィスでどのような広がりを見せるか、注目しておきたい。