米国防総省(DoD)は米国時間8月1日、同省が進める「JEDI」(Joint Enterprise Defense Infrastructure)プロジェクトの契約プロセスを一時中断すると発表した。100億ドル(約1兆700億円)規模の契約となるJEDIの入札プロセスを精査するというMark Esper米国防長官の今回の決断に先立って、Donald Trump米大統領はこのプロセスに関する不満を表明していた。
Politicoが報じているように、DoDの広報担当者Elissa Smith氏は声明で「Esper長官は、税金が無駄にされないようにしながらも、われわれの軍が人工知能(AI)を含む最高の能力を有し、世界で最も強力な軍であり続けることを確実にするという固い決意を抱いている」と述べるとともに、「Esper長官は米連邦議会の議員や米国民への約束を守るためにJEDIプログラムに目を向けている。Esper長官が精査を終えるまでは、いかなる決断も下されない」と述べている。
この単一ベンダー独占契約の入札プロセスに残っているのは、「Microsoft Azure」を有するMicrosoftと、「Amazon Web Services」(AWS)を有するAmazonの2社のみとなっていたが、Trump大統領は7月に、「世界で最も優れた複数の企業」から「大きな不満の声」を耳にしていると述べていた。
Trump大統領は「彼ら(こうした企業)はこれが競争による入札ではないと主張している」と述べ、「こういった不満が出てくるような話はほとんど聞いたこともないため、何が起こっているのかを詳しく精査するよう要請するつもりだ」と続けた。
Googleは2018年10月にJEDIの入札プロセスへの参加を取りやめ、OracleとIBMは2019年4月に要件を満たしていないとして選に漏れていた。Oracleは入札プロセスが公平性を欠いているとして異議を唱え、2018年12月に訴訟を起こしていた。その後、2019年7月に連邦判事が同訴訟を棄却したため、JEDIの契約はMicrosoftかAmazonが受注するものと考えられていた。
JEDIは、10年間で100億ドルにもなる大規模なクラウド契約だ。これには機密性を要する環境と機密扱いではない環境における、IaaSとPaaSのサービスが含まれることになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。