AIがもたらす衝撃は領域で異なる--AI科学者が語る第3次AIブームの今 - (page 4)

阿久津良和

2019-08-06 06:45

 もう1つの目標としては、新製品の開発。実現するには初期段階で事業部側と顧客先を訪れ、顧客需要を把握することが重要だ。顧客需要と技術の交点を探り、理解した上で製品開発につなげていく。

 リサーチコミュニティーの間では、人を中心に考える「人間思考のAI」という動きが出ている。単純な技術開発だけではなく、人の需要を踏まえたAI開発に取り組み、使い勝手を改善していくというものだ。人の意思決定プロセスに役立つAIシステムを開発する際、確信度スコアを用いるだけでは十分ではない。AIシステムが提示した結果をもとに人がアクションできるような設計思想を持つ必要がある。

 私個人としては、素晴らしい経験を得ている。研究だけでは最終的なサービスが直面する課題は見えず、何がビジネスに影響を与えるのか、顧客需要も分からない。一方でAIコミュニティーとは強いコネクションを持っているので、新たなイノベーションを素早く見つけ、スムーズに事業へ展開することを目指している。

Appier チーフAIサイエンティスト Min Sun氏
Appier チーフAIサイエンティスト Min Sun氏

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