G SuiteやOffice 365と連携する企業向けポータル基盤などを提供するフランスのLumApps(ルムアップス)は、9月を目標に日本法人の設立を目指している。パリ、リヨン、ロンドン、ニューヨークで展開してきた同社が次の市場として選んだのは東京だった。
今回は日本法人設立に向けて奮迅中のLumAppsの共同創業者で最高マーケティング責任者(CMO)のOlivier Chanoux(オリヴィエ・シャヌー)氏に話を聞いた。
社内外のコミュニケーションやビジネスアプリを集約
社内向けポータルサイトを必要とする企業は多いものの、従業員同士のコミュニケーションや情報共有を可能とするワークプレースツールは枚挙に暇がない。利用者は複数のタブを開き、各サービスにアクセスすることになるが、画面遷移は必然的に煩雑化し、リソースへのアクセスを妨げる一因となるのは皮肉な結果だ。
LumApps CMO Olivier Chanoux氏
他方で自社専用ポータルサイトの構築はITスキルが求められ、IT部門がウェブ開発を不得手とする場合、アウトソーシングが必要な場合もある。このような課題を解決するのがLumAppsだ。
LuAppsは各機能を実現する部品を「ガジェット」と称し、G SuiteやOffice 365と連携して、メールやトップダウンもしくは従業員同士のコミュニケーション、SNSを用いた外部とのコミュニケーションと、分散するコミュニケーションやワークプレースツールを、ポータルサイトとして1つに統合できる。
HTMLコーディングなどITスキルを必要とせず、GUIでガジェットを組み合わせるため、ユーザー部門を巻きこんだポータルサイトの運営を可能にする。
LumAppsが持つ強みとしてChanoux氏は「われわれはITの方向けではなくユーザー向けに作り込んだ。LumAppsのようにすべてのニーズに対応したソリューションはグローバルでも存在しない」と語る。Office 365をコミュニケーション基盤とする某国内大手企業は、社内利用する数千のG Suiteユーザーが存在するため、LumAppsを用いて1つのワークプレースを構築しているという。
ポータル画面はユーザー企業ごとに完全にカスタマイズ可能。企業の現在情報やニュース、社内SNS、ビジネスアプリなどをさまざまに表示できる(出典:LumApps)