アクロニス・ジャパン(アクロニス、港区)は8月21日、個人向けバックアップソフトウェアの最新版「Acronis True Image 2020」を発表した。100以上の機能を追加、拡張。“簡単、オールインワン、安心”をテーマとした製品になるという。アクロニスのECサイトでは同日から、パッケージ版やその他ECサイトでは10月11日から販売する。
Windows、Mac向けの新機能としては、サブスクリプションモデルとなるAdvanced Edition以上に「Dual Protection」を追加。ローカルバックアップをクラウドに自動複製。いつでも復元、コピーに活用できるという。バックアップとレプリケーション(複製)を同時に実行することでバックアップのルールとされる「3-2-1」に対応すると説明する。
3-2-1ルールは、「コピーして3つ持つ」(二重にバックアップ)、「2種類の異なるメディアでバックアップする」、「バックアップのうち1つは違う場所で保管する」というもの。その他、主な機能拡張は以下の通り。
通知センターイメージ(出典:アクロニス)
・トレイ通知センター
デスクトップトレイにメッセージをプッシュ通知。結果確認などでのバックアップ管理コンソールへのアクセスが不要
・バックアップ技術
新フォーマット「Archive-3」を採用し、バックアップ、リカバリなど全体的な速度を改善
・Acronis Active Protection
ランサムウェア、クリプトジャッキング対策「Acronis Active Protection」での検知時の通知に理由を追加。人工知能(AI)エンジンを強化
・バックアップ時のWi-Fi選択
バックアップを実行するWi-Fiの指定が可能
バッテリーセーバー(出典:アクロニス)
・バッテリーセーバー
指定した電源のレベル以下の時にはバックアップを実行しないよう設定可能
・Mac向け機能強化
Power NAP(スリープ)時のバックアップが可能
Apple File System (APFS)の別マシンへの復元
計100以上の拡張をしたという(出典:アクロニス)
プロダクトマーケティングマネージャーを務める村上憲子氏は、新版の発表に際してリモートワークやモバイルワーク、副業の促進など、働く環境が変化しつつある市場環境を説明。
クラウドストレージなどのコラボレーションツールの活用、私物端末の業務利用(BYOD)が進み、一人ひとりが持つデバイス数も増加。データは公私で活用が増え、増加、分散傾向にあるという。モノのインターネット(IoT)という要素からもデータは増加、分散。データ活用には複雑さ、セキュリティ、コストという3つの課題があると語る。
新版は、データ資産をより個人で守りやすいよう機能強化したという。「私用のスマホなどでは少しの煩わしさでアンチウイルスアプリですら外されかねない。コンセプト、エディション、価格体系など、基本的な部分に大きな変化はないが、簡単さに加えて効率的に保護できるよう対象デバイスを増やしたり、データを使う際のセキュリティを確保するといった“簡単、オールインワン、安心安全”を目指している」(村上氏)