そごう・西武は、One to Oneマーケティング(顧客一人ひとりの嗜好に合わせたマーケティング)を高度化するための基盤作りを進めている。基盤の構築を支援したブレインパッドが8月20日に発表した。
この基盤は、日本マイクロソフトのパブリッククラウド「Microsoft Azure」と、ブレインパッドのダイナミックセグメンテーションシステム「exQuick」を活用している。exQuickは異なるデータベース製品やフラットファイルを統合的に管理し、顧客の絞り込みから施策の実行、効果測定レポートの作成までをサポートする製品で、データ抽出、レポーティングを得意とし、幅広い業界で導入・活用されている。
そごう・西武は、2018年6月に顧客データを活用したOne to Oneマーケティングの実践に向けてプロジェクトを発足させた。同年8月には、Azureを活用してプライベ―トDMP(Data Management Platform)を構築し、POS(販売時点情報管理)や会員情報に基づく「購買データ」と自社サイトのアクセスログに基づく「行動データ」を利用して、電子メールの送信、ダイレクトメールの発送、顧客分析などを実施している。また、プライベートDMP上でマーケティング施策のターゲットとなる顧客をセグメント化する仕組みはexQuickで構築された。
マーケティング基盤の構成図(出典:ブレインパッド)
そごう・西武が保有する顧客データは、さまざまな部門に散在しサイロ化されていた。プロジェクトでは、サイロ化を一気に解消しようとするのではなく、まずは実際の店舗にて顧客データを活用する実証実験を行い、その成果を見ながらデータの統合を進めるというアジャイル型の進め方を選択した。プライベートDMPの構築後、店舗の販売員がデータを活用したマーケティング活動を実施したところ、メール配信後に実際に来店し購買に至った割合が5%となるなどの効果が表れている。