東急百貨店、PBX老朽化でFMC利用--支給スマホの安全確保でMAMツール活用

藤代格 (編集部)

2019-08-27 07:15

 全国で16店舗の百貨店などを運営する東急百貨店(従業員数1994人)は、構内交換機(PBX)のリプレース、iPhone支給に伴い、安全なテレワーク実施などを目指してモバイルアプリ管理(Mobile Application Management:MAM)ツール「moconavi」を採用。セキュリティと利便性を両立させ、働き方改革を実現したという。8月26日、moconaviを開発するレコモット(千代田区)が発表した。

 個人情報の取り扱いに厳しく、3年ほど前まではデスクトップ端末をシンクライアント利用するなど、厳格なルールでITを運用。情報を扱う端末の移動は禁止していたという。

 “お客様には来店してもらう”という百貨店の特性もあり、社員が外に出向くケースは少ないものの、外出機会があるバイヤーや法人向け営業からモバイルデバイスなどITのビジネス活用という要望が増加。自主運営形式を中心としていた売り場では業務委託が増加しつつあり、社員、取引先、販売員とコミュニケーションする仕組みが必要になったとしている。

 各店舗に設置したPBXの老朽化に伴い、通信事業者が提供するFixed Mobile Convergence(FMC)サービスを利用したiPhone支給に移行、集約。電話を管轄する総務部門とデータ通信を管轄する情報システム部門が手を取り合いつつ、コストや品質の面から情報収集、検討。管理やセキュリティ面も含めて決定したという。

 iPhone支給を契機に、モバイルでのIT活用を検討。1年がかりのコンペの末、全社で活用するActive Directoryと連携できるmoconaviを採用。メールやチャット、ストレージなどの様々な機能が1つのツール内にあり、新機能の搭載も迅速。一部店舗で導入していた実績もあり、コストや管理面でも優れていたという。端末にデータを残さないため利便性を犠牲にせずにセキュリティ担保でき、最適と捉えたとしている。

構成イメージ(出典:レコモット)
構成イメージ(出典:レコモット)

 本社社員やバイヤーを中心に、PBXを廃止する店舗から順に導入。外出時でのメールや資料確認に加え、従来は共有PC経由だったSNS投稿がiPhoneから可能になるなど、利便性が向上。売り場の装飾状況、海外出張先でのバイヤーからの商談写真など、チャットを使ったリアルタイム共有も増加したという。

 2020年3月までの主要店舗への導入を目指し、5月時点で441IDを活用。最終的には800ID以上を見込むという。取引先や販売員に導入する可能性もあるとしている。

事例概要(出典:レコモット)
事例概要(出典:レコモット)

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