東京工業大学は、スーパーコンピューター 「TSUBAME3.0」にNVIDIAの仮想GPUを利用した仮想デスクトップ基盤(VDI)環境を導入した。NVIDIAが8月22日に発表した。東工大の学術国際情報センターでは、TSUBAME3.0にVDI環境を構築することで、サービスの提供を学内外の一般ユーザーや産業利用に拡大し、研究室や学内のネットワーク環境だけでなく、遠隔地からの利用者に対しても計算結果の確認や可視化、高速なデータ処理を可能にしていく。
仮想化された共有ワークステーション環境を利用することで、TSUBAME3.0から機械学習やシミュレーションの膨大なデータを手元のPCなどにダウンロードすることなく、仮想ワークステーションで実行した計算結果や可視化やデータ処理を、ネットワーク経由でリモートで画面イメージのみを転送し、端末の画面だけで利用できるようになる。
TSUBAME3.0(出典:NVIDIA、以下同)
構築したVDI環境は「NVIDIA V100 Tensor Core GPU」を3基搭載したサーバーを5 台、計15基で構成されている。GPUはNVIDIA仮想GPUソフトウェア、Quadro仮想データセンターワークステーション (Quadro vDWS) によって同時に最大240人のユーザーに仮想ワークステーションの環境を提供する。
NVIDIA V100 Tensor Core GPU
Quadro vDWSは、サーバーに搭載されたV100 GPUをNVIDIA仮想GPUテクノロジーにより仮想化し、 複数の仮想マシンにGPUの性能を付与する。これにより、従来VDI化が困難だったCAD、CAE、BIM、コンテンツ制作、医用画像といったグラフィックアプリケーション、シミュレーションやディープラーニングといったコンピューティングアプリケーションを、ローカルのQuadroワークステーションのように高い性能で動作させることができる。