大手保険会社がITベンダーなど7社と共同で先進の事故対応サービスを開発した一大プロジェクトで、興味深いマルチクラウド形態が浮き彫りになった。果たして、どんなものか。
損保大手の新サービスで一大共同開発プロジェクト
あいおいニッセイ同和損害保険は先頃、テレマティクス技術を活用した事故対応サービス「テレマティクス損害サービスシステム」を、野村総合研究所(NRI)、SCSK、富士通、大日本印刷、インテリジェントウェイブ、日本IBM、SBI FinTech Incubationと共同で開発したと発表した。(写真1)

「テレマティクス損害サービスシステム」開発プロジェクトに参画したパートナー企業の代表者らによる会見。左から4番目でマイクを握っているのが、あいおいニッセイ同和損害保険の樋口昌宏 取締役専務執行役員
各社の最新技術とテレマティクス情報を複合し、事故対応で実用化する取り組みは業界で初めてという。
あいおいニッセイ同和損保は、テレマティクス自動車保険において車両やデバイスから得られるデジタルデータを活用することで、各パートナー企業とともに新サービスを開発した。顧客との電話や書類のやりとりを中心とした従来の事故対応から、走行データや運転挙動・位置情報を中心としたデジタルデータの活用による高度な事故対応を行えるようになるとしている。
これにより、事故に遭遇した顧客の保険請求手続きにかかる負担を大幅に軽減し、新たな付加価値を提供するとともに、24時間体制の事故対応サービスと合わせた高品質なサービスを実現。新サービスの導入により、対物賠償保険金の支払いまでの日数を約50%短縮することを目指す構えだ。
発表会見で説明があった新サービスの内容については関連記事をご覧いただくとして、本稿ではこの新サービスを支えるシステムに注目したい。