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Pivotal、Carbon Blackを買収した狙い--ヴイエムウェアの買収戦略とは

大河原克行 2019年08月30日 07時00分

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 米サンフランシスコで開催されている「VMworld 2019」の会場において、VMware プロダクト&クラウドサービス担当COO(最高執行責任者)のRaghu Raghuram氏が、PivotalとCarbon Blackを買収した狙いなどについて説明した。

 VMwareは米国時間8月22日、Pivotalを約27億ドルで、Carbon Blackを約21億ドルで買収することを発表。いずれも同社の2020会計年度の後半(2020年1月末まで)に取引を完了する見込みだ。

 今回の買収について、Raghuram氏は「VMwareが上場企業を買収したのは初めてのことだ。しかも、同じ日に2社も買収した。1つはモダンアプリケーションの開発を支援する会社であり、もう1つはセキュリティの会社である。いずれもVMwareと高いシナジー効果を発揮できる」と語る。

 Pivotalは、クラウドネイティブ基盤と開発ツールを提供。グローバルで約2000社がソフトウェアの開発およびIT運用に活用している。

VMware プロダクト&クラウドサービス担当COOのRaghu Raghuram氏
VMware プロダクト&クラウドサービス担当COOのRaghu Raghuram氏

 Raghuram氏は、「VMware Cloud Foundation(VCF)が登場する2015年以前のVMwareのマルチクラウド戦略は、まだ適切な方向性を打ち出せていなかった。その後、さまざまなプロバイダーのクラウドサービスを活用して、マルチクラウドの世界を実現した。データセンターでは、SolarisやHP-UX、LinuxなどのさまざまなOSを利用し、異なるネットワークインフラにも対応した。さらにVMware Cloudでは、マネジメントプラットフォームを提供してきた。クラウドに対するアプローチや、モダンアプリケーションに対する考え方が変化し、データセンターを顧客が管理してどんなデバイスでもつながる時代になってきた。ITのインフラは多様化し、複雑性を増している。VMwareはこの問題を解決するためのアセットを手に入れる必要があった」とする。

 VMwareは、2017年11月にSD-WANベンダーのVelocloudを買収。2018年8月には、マルチクラウドの運用基盤を提供するCloud Healthの買収を発表した。「これらによって、マルチクラウドを管理できる体制を整えた」とする。

 ここでは、Amazon Web Services(AWS)とのパートナーシップや、VMware vCenter Server(VCS)のスタックが、Microsoft AzureやGoogle Cloud、IBM Cloudでも稼働するようにし、プラットフォームにまたがってアプリケーションを動かせるようにしたことにも触れ、「数年前にJavaが異なるデータセンターのプラットフォームを動かせるようにしたのを同じである」などと表現。「われわれがマルチクラウドの複雑性を解決できるように、さらに買収を進めた」と位置付けた。

 さらに「Kubernetesの出現も今回の買収につながっている。VMwareはここ数年でKubernetesに対する投資を急拡大してきた。その流れの中で今回のPivotalの買収がある」とする。

 VMwareは、2018年11月にKubernetesの開発者2人が創業したHeptioを買収すると発表。2019年5月には、Kubernetesコミュニティーに貢献している上位3社のうちの1社であるBitnamiを買収することを発表している。

 「Pivotalが加わることで、顧客がモダンアプリケーションを容易に構築できるようになった。構築、運用、管理をKubernetes上で実行できるようになり、さらにBitnamiを軸にして、デベロッパーへアクセスできるようになった。デベロッパーは、これまでVMwareが影響力を持つことのできなかった領域。PivotalとBitnamiによって、この領域でも大きな役割を果たすようになる」と語った。

 続けて、Raghuram氏は「顧客がモダンアプリケーションを構築し、デリバリーできるようするためにPivotalを買収した。さまざまな会社を見たが、そこではPivotalが最適だと考えた。PCF(Pivotal Cloud Foundry)のスタックをKubernetes上で動くようにするといった動きも、VMwareにとってより大きなシナジーを生むことにつながった。エンタープライズソフトウェアのデリバリーを大きく加速できる」と述べた。

 また、Pivotalとの関係をパートナーシップにとどまらず、買収した意図についても説明。「VCFやNSXがVMwareのコアであるように、Kubernetesも今後はわれわれのコアになる。Kubernetesをコアにするならば、Pivotalとのパートナーシップにとどまらず、買収して市場にベストなソリューションとして提供しなければならない」とし、「Cloud Healthが新たな機能を短期間に提供できたように、Pivotalもロードマップの実現を加速させることができる。Pivotalの強いところを伸ばしていける。スピード、スケール、スタビリテイー、セキュリティ、セービングという、Pivotalの5Sの設計思想を加速させられる」と述べた。

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