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「Kubernetes」のエンタープライズ展開で主導権狙う--ヴイエムウェアのゲルシンガーCEO

大河原克行 2019年09月02日 07時00分

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 米サンフランスシコで開催したVMwareの年次イベント「VMworld 2019」において、同社 最高経営責任者(CEO)のPat Gelsinger氏が、プレスカンファレンスでの質疑応答や日本メディアの共同インタビューに応じた。Gelsinger CEOは、「PivotalやHeptioなどの買収によって、VMwareはKubernetesにおける最高のエンタープライズサプライヤーになる」と語った。

VMware 最高経営責任者(CEO)のPat Gelsinger氏
VMware 最高経営責任者(CEO)のPat Gelsinger氏

--Pivotalをはじめとする積極的な買収やVMworld 2019での発表などを見ると、VMwareが新たなフェーズに入ったように感じる。2019年で21年目を迎えたVMwareを表現するのに最適な言葉はなにか。

Gelsinger氏:VMwareという名前をそろそろ変えてはどうかと言われたが、それはないと言いたい。われわれには歴史的な資産があり、同時に幅広いポジションを持っている。いまから先のVMwareを表現する言葉を1つ選ぶとすると、それは「Any」だといえる。

 VMware Visionの中で、「Any Device、Any Application、Any Cloud」を示しているが、「Any」という切り口から、信頼されたテクノロジーリソースを最高情報責任者(CIO)やビジネスパートナーに提供し、どのようなアプリケーションやクラウドでも使え、世界中の全てのデバイスを使えるようにするのが役割だ。そして、ITオペレーターだけでなく、デベロッパーにも広くリーチしていくことになる。その点でも、「Any」という言葉が適している。

 VMwareのスタンスは明確である。vSphereが中心にあることは変わらない。インフラストラクチャーを提供するがハードウェアはやらない、デベロッパーにリーチするがアプリケーションにはアプローチしない。SAPやOracle、Microsoftがやっている領域には入っていかない。

VMware Visionの中で「Any Device、Any Application、Any Cloud」が示されている
VMware Visionの中で「Any Device、Any Application、Any Cloud」が示されている

--なぜこのタイミングでPivotalを戻すことにしたのか。

 VMwareはこれまでの間、NSXやvSAN、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)、マネジメント戦略やクラウド資産の構築などに取り組んできた。VMwareの社内リソースでは、Pivotalを成長させられなかった。それで会社を切り離して、Rob(PivotalのRob Mee CEO)に事業を拡大してもらった。

 一方で、Pivotalは、Kubernetesよりも先にコンテナーの取り組みを始めていたが、いまはKubernetesがメインストリームになり、それに合わせてPivotalは再構築を行ってきた。その戦略を加速させるため、VMwareに戻した。顧客は自らのエンタープライズ戦略において、Kubernetesが必要だと考えている。VMwareとPivotalが一緒になってほしいという声ももらっていたし、一緒になるメリットが大きいとも考えていた。

 Pivotalの戦略はKubernetesへの移行を完了している。会社を買収しても方針を変えるというリスクがなく、彼らの戦略を加速できる。Pivotalは7億5000万ドルの売上規模があるが、Kubernetesが加わることでさらに大きくなる。Kubernetesの時代が訪れており、いまがチャンスである。

--Pivotalの買収によって、VMwareはアプリケーション基盤へと参入し、エンタープライズデベロッパーの領域へと入る宣言だと理解していいのか。

 その通りだ。VMwareはITオペレーターの領域でポジションを確立している。だが、デベロッパーとオペレーターの間には大きなギャップがある。PivotalとBitnamiを買収したことで、500万人のデベロッパーへアクセスできるようになった。Kubernetesはその橋掛けになる。デベロッパーたちにもリーチし、話ができる環境を得たことになる。

 さらに、VMwareはHeptioを買収し、Kubernetesのアーキテクチャーを理解できるようになった。Heptioの2人の創業者は、Kubernetesの開発者の3人のうちの2人である。そして、PivotalやHeptioの顧客とわれわれの顧客で重なり合う部分が多いことも分かった。VMwareがこれらの企業を相次いで買収したことで、大規模なシステムにKubernetesを使うことを支援できるようになった。重要なのは、Enterprise Kubernetesを実行できることであり、VMwareはKubernetesにおける最高のエンタープライズサプライヤーであると思ってもらいたい。そして、Kubernetesに対して最もフレンドリーな会社であると思ってもらいたい。

 全世界の仮想マシンをKubernetesフレンドリーにできるのはVMwareだけである。他社はどこもできない。KubernetesとvSphereをシームレスに統合できるのは、われわれの大きな差別化要素になる。そして、オンプレミスではリーダーシップがあり、中立的なマルチクラウドパートナーとしての信頼もある。最も優れた戦略があり、それを実行することになる。

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