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調達・購買のデジタル変革を下支え--SAPジャパン、Ariba/Fieldglassの戦略説明

藤本和彦 (編集部)

2019-09-04 07:00

 SAPジャパンは9月3日、調達・購買ソリューション事業の市場戦略について記者説明会を開催した。「SAP Ariba」「同 Fieldglass」に関する最新動向のほか、サービスを利用する国内企業としてコニカミノルタとPFUの事例が紹介された。

SAPジャパン バイスプレジデント 調達・購買ネットワーク事業本部長の佐藤恭平氏
SAPジャパン バイスプレジデント 調達・購買ネットワーク事業本部長の佐藤恭平氏

 Aribaは、間接材などの調達や購買を管理するクラウド型サービス。同サービスのBtoB(企業間取引)ネットワークには、現在190カ国・420万社のサプライヤー(供給側企業)が参加している。また、グローバルでの取引額は年間2兆9000憶ドル(約300兆円)になるという。電子商取引(EC)における国内のBtoB市場は約300兆円の規模であり、それに相当する量の取引がAriba上で行われているという。2016年に国内の販売を本格化させている。

 もう1つのFieldglassは、外部人材やサービス(役務)の調達を管理するクラウド型サービス。現在180カ国以上・21言語で利用されている。2017年に国内販売を始めている。

 SAPジャパン バイスプレジデント 調達・購買ネットワーク事業本部長の佐藤恭平氏は会見で、AribaとFieldglassは調達・購買領域のデジタル変革を支えるためのプラットフォームだと話した。まだまだアナログの処理が多く残っている購買プロセスをデジタル化することで、コスト削減や働き方改革、法令順守、社会的責任への対応を図ることができるという。

 例えば、間接材は品目が多いだけでなく、社内の部門別に同じものを購入することも多い。1つの物品・サービスに対して、さまざまな価格が付けられている場合もある。こうした“一物多価”を防止することで、間接材のコストを最適化することができる。また、購買プロセスのシステム化によって、発注から請求、照合といった事務・管理部門の業務を効率化し、工数削減や時間短縮、ミス軽減などにつなげられるという。

Aribaの取り扱う物品商材とサービス商材
Aribaの取り扱う物品商材とサービス商材

 法令順守の問題については、前々から付き合いのある業者に対して発注が繰り返されていたり、業者を選定するプロセスと承認が適切に行われていなかったりなど、管理体制が弱いまま見過ごされていることがある。こうした状況に対し、システムでプロセスの可視化や承認履歴を残しておくことで、不正の抑止力を高めることが可能になる。また、企業の社会的責任として、取引先が反社会的勢力と関係を有していないか、児童労働に関与していないかといった管理体制の整備も必要になる。この点についても、購買前に十分な情報を提供することで、サプライヤーのリスクを管理する仕組みを整えている。

 7月には東京商工リサーチと協業し、国内企業840万件以上の評価情報をAribaに取り込み、利用企業向けに提供することを発表している。

 会見では、Aribaの利用企業としてコニカミノルタ、Fieldglassの利用企業としてPFUが紹介された。

 コニカミノルタは、2016年4月に間接材調達部門を設置し、外部購入コストの最適化と支出プロセスの透明化に取り組んでいる。同社では、「間接材の支出が直接材の支出と同等場を占め、特に日本の支出額はグローバル全体の約半分を占めていた」(コニカミノルタ 生産本部 調達センター センター長の新善行氏)という。

コニカミノルタ 生産本部 調達センター センター長の新善行氏
コニカミノルタ 生産本部 調達センター センター長の新善行氏

 そうした状況下で、全社の外部支出を調査し、早期にコストの適正化が図れる品目から部門をまたいで横断的に調達業務を行うなど、効果の拡大を進めている。2018年9月からツール導入とプロセス整備に着手し、2019年6月にAribaの稼働を開始した。

 同社では、間接材のコスト削減効果を初期・中期・定常化の3段階に分け、段階的に取り組みを高度化していくことで、継続的なコスト削減を実現しようとしている。それにより、全社の利益拡大のため、高いコスト意識を維持できる環境を作るとしている。

コニカミノルタが描く間接材調達の将来像
コニカミノルタが描く間接材調達の将来像

 PFUは、複雑化する派遣社員と業務委託の外注プロセスを標準化するため、Fieldglassの採用を決定した。2020年4月の本格稼働を目指している。

 ITサービスを提供する同社では、新規の請負業務などで急に人手が必要となった際、すぐに人材を手配、確保できなければ、納期遅れや機会損失につながりかねない。実際、「人材がいなくて商談が取れないことも」(PFU 業務統括部 ソリューション購買部部長の浜崎哲也氏)あった。

PFU 業務統括部 ソリューション購買部部長の浜崎哲也氏
PFU 業務統括部 ソリューション購買部部長の浜崎哲也氏

 さらに、請負会社の評価や請求額の確認など、派遣・請負に関わる作業の多くは手作業で属人化していたという。手作業による誤った処理の発生や認識不足による法令違反などの潜在的リスクもあった。「過去にメールやファクスの誤送信があり、二重三重のチェック体制を敷くなど、業務過多な状況だった」(浜崎氏)

 Fieldglassを導入することで、煩雑かつサイロになっていた調達システムを刷新し、購買オペレーションを一元管理することによって、ビジネスの成長を支援していくとしている。

PFUが描く調達プロセスの将来像
PFUが描く調達プロセスの将来像

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