調査

ガートナー、先進技術のハイプサイクルを発表--センシングとモビリティーなど5つのトレンド

NO BUDGET

2019-09-04 07:05

 ガートナー ジャパンは8月29日、2019年版の先進テクノロジーのハイプサイクルを発表した。2000を超えるテクノロジーを分析した上で知見を抽出し、2019年版では29の先進テクノロジーと5つのトレンドを簡潔にまとめ、提示している。

 5つの先進テクノロジートレンドは、「センシングとモビリティー」「オーグメンテッドヒューマン」「ポストクラシカルなコンピューティングとコミュニケーション」「デジタルエコシステム」「高度なAI(人工知能)/アナリティクス」になる。

 「センシングとモビリティー」については、センサー技術とAIの融合によって、マシンが周辺環境を認識する能力は高まりつつあり、モノの移動と操作を可能にする。ガートナーでは、今後10年間で、拡張現実(AR) クラウドは世界の3Dマップを生成するようになり、これによって新しいインタラクションモデルのほか、物理的な空間から収益を生み出す新たなビジネスモデルが実現すると予測している。

 「オーグメンテッドヒューマン」については、認識能力/身体能力を向上させる機能の開発を可能にするもので、人間の身体に不可欠な要素となる。オーグメンテッドヒューマンにフォーカスした先進テクノロジーの例としては、バイオチップ、パーソニフィケーション(擬人化)、拡張インテリジェンス、感情AI、イマーシブ(没入型)ワークスペース、バイオテクノロジー(培養組織や人工組織)が挙げられる。

 「ポストクラシカルなコンピューティングとコミュニケーション」については、クラシカルなコンピューティング、コミュニケーション、インテグレーションでは、主に従来型アーキテクチャーの改良 (ムーアの法則で予測された、CPUの高速化、メモリーの高密度化、スループットの増大) によって大きな進歩を遂げてきた。

 一方で、次世代テクノロジーでは、全く新しいアーキテクチャーが採用されており、ガートナーでは、このカテゴリーには、これまでとは完全に異なるアプローチだけでなく段階的な改善も含まれ、そうした改善は劇的な影響をもたらす可能性があるとしている。

 例えば、低軌道衛星システムは、低遅延のインターネット接続を全世界に提供でき、低軌道の小型衛星コンステレーションは、現在インターネットに接続されていない住居の48%が接続できるようにし、インターネット接続が提供されていない国や地域に経済成長の新たな機会をもたらすという。

 「デジタルエコシステム」については、デジタルプラットフォームを共有する行為者 (企業、人、モノ) で構成される、互いに依存するグループを活用して、相互に有益な目的を達成するものとしている。ガートナーでは、デジタル化は従来のバリューチェーンの破壊を促し、より強力かつ柔軟でレジリエンス(回復力)の高い価値提供ネットワークを生み出し、そうしたネットワークは絶えず変化して、改良された新しいプロダクトやサービスを創出するとしている。

 「高度なAI/アナリティクス」については、洗練された手法とツールを使ってデータやコンテンツを自律的または半自律的に検証する機能を備えており、従来のビジネスインテリジェンス (BI) よりも一般に優れているとした。例えば、エッジAIは遅延の影響を受けやすいアプリケーション (自律的ナビゲーションなど) のほか、ネットワーク障害が発生しやすいアプリケーション (遠隔監視、自然言語処理〈NLP〉、顔認識など)、データ集約型のアプリケーション (ビデオアナリティクスなど) での採用が進んでいるとしている。

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