トータル物流サービス会社の浅井は、ナブアシストの点呼業務支援ロボット「Tenko de unibo(テンコ デ ユニボ)」を運転者の点呼業務向けに採用し、稼働を開始した。同ロボットにAI(人工知能)プラットフォームを提供している富士通が発表した。
同製品は、日本貨物運送協同組合連合会(日貨協連)とナブアシストがトラック運送事業者向けに提供する点呼業務を支援するロボットソリューション。富士通の「ロボットAIプラットフォーム」とユニロボットの提供するコミュニケーションロボット「unibo」から構成されている。
運行管理者が立ち会いのもと、ロボットが顔認証で乗務員本人を確認し、アルコールチェッカーや免許証リーダーと連携した点呼業務を確実に実施し、点呼記録簿をクラウド上に自動で作成する。ロボット点呼は、点呼内容を漏らすことなく記録することができるだけでなく、アルコールが検知されると点呼が中断されるため、飲酒運転を確実に防止することができる。また、オプションのキーボックス連携機能により、運転者が酒気帯びや体調不良と判断された場合は、乗車する車の鍵を解錠不可とし危険な運転を未然に防ぐなど、確実な安全運転履行を支援する。
点呼業務の様子
「Tenko de unibo」を使った点呼の業務フロー
トラック事業の運行管理者は、貨物自動車運送事業法などの規定により、乗務前と乗務後の運転者に対して、対面による点呼を行い運行の安全を確保することが義務付けられているが、近年の人手不足問題や働き方改革の推進に伴う労働時間の削減などの施策により、点呼業務の効率化や質の維持に苦慮している。
日貨協連は、安全運行を目指して運転者への確実な点呼業務の実施および運行管理者による点呼内容の質の平準化を図ることを目的に、トラック運送事業者各社へ「Tenko de unibo」の導入を推奨している。浅井は、この取り組みの最初のユーザーとして、運転者の業務効率化と働き方改革を推進していく。
日貨協連とナブアシストは、ロボット点呼のさらなる拡張を目指し、車庫など運行管理者から離れた場所でのロボットのカメラを活用した点呼実施確認や、運転者の労働時間などの改善基準である改善基準告示に準じた労務管理、運転者に対する安全指導など新しいソリューションを「Tenko de unibo」上で提供していく。
また富士通の「ロボットAIプラットフォーム」に搭載されている表情認識や音声感情分析などの技術も活用し、より細やかな体調管理の強化を図っていく。