何かが見つからないときは、隣の席の人に尋ねれば、その人がそのありかを知っている人を教えてくれます。企業には、さまざまなもののあり場所と、さまざまな作業をどのように進めるかを知っている貴重な人々が存在します。
これはひとつのスキルであり、今日の社会においてものごとを進めるために必要とされているものです。このスキルを高めるため、私たちはトレーニングを実施し、ポスターを開示し、さらにはメールを送信します。
しかし、ここで尋ねてみたい質問がひとつあります。最高経営責任者(CEO)が夢を実現するためにどのような人々が必要かを考えた時、その人々は「アプリケーションのナビゲートに長けた人々を周りに置いてください」と言ったでしょうか?
コンテキストの切り換え
互いに関連のないさまざまな作業から作業へと飛び回ることは一種のスポーツのように聞こえるかもしれませんが、現実には私たちはそれらによって文字通り殺されかかっています。私たちが使用する機器は注意をそらせる種ですが、機器の応答時間に関しては瞬時であることを期待しています。
私たちは優先順位を設定せず、いま目の前にあることを最も優先してしまいます。テキストメッセージ、アラート、メール、誰かが何かを見つけられないと言っていることなど、これらすべてはそれに集中することを求めます。
これらを切り換えるために浪費している時間は全体の40%にも達します。このことに加え、マルチタスクは仕事におけるストレスを大きく高めることが明らかになっています。このように、仕事ではない仕事をすることが従業員を疲弊させています。
アプリケーションの過剰
ビジネスにおける新しいアプリケーションへの欲求は留まるところを知らず、一般的な企業が使用するアプリケーションの数は年々増え続けています。最近の調査によれば、企業の約半数は100種類を超えるアプリケーションを所有しています。
このこととは別に、スマートフォンのユーザーが1カ月に使用するアプリケーションの数は30を超えています。大半の企業は管理(とライセンス費用)の面からアプリケーションの増加を抑えようとしていますが、人への影響も考慮する必要があります。私たちはより多くの機能を作り出し、より多くのアプリケーションにより多くのデータを入力し、それによって複雑さを高めています。
ブラウザで開いているタブが多すぎるため、タイトル部分の表示が読めないことはありませんか? あるいはスマートフォンのアプリケーションを終了したものの、バックグラウンドでは数十種類もの機能が動作していることに気付いていますか? これがアプリケーションの過剰です。
しかし、希望も存在します。
大きな緑のボタン
私たちはこれまでにも複雑さを克服してきました。オフィスのコピー機を眺めてみてください。5年以内の機種なら、ほとんど何でも作り出すことのできる機能が満載されているはずです。
しかしどうしたわけか、オフィスの誰もがコピー機を使えます。どうやってでしょうか? ほとんどの人は単にコピーを取りたいだけであり、そのために大きな緑のボタンが、多くの場合には右下側に配置されています。