ワイドテック(千代田区)は9月11日、運用管理ソフトウェアの最新版「POLESTAR Automation V3」の提供を開始した。最小構成数は50ノードでライセンス版の税別価格は120万円から。
韓国のNKIAが開発するPOLESTAR Automationは、Windows ServerやLinuxのほかにSolarisやAIX、HP-UXといった商用UNIX系OSを管理できる。IPネットワーク機器監視プロトコルであるSNMP(Simple Network Management Protocol)で取得できるMIB(Management Information Base)情報を取得できるスイッチやルーターなどネットワークに特化した運用でも活用できる。
構成情報の自動収集と一元管理が可能。構成管理では、サーバーのインベントリ情報を自動的に収集し、変更の履歴を管理可能。システムの仕様やOSのバージョン、ミドルウェアやアプリケーションのインストールやパッチ、ファイルシステムなども管理する。収集した構成情報はPOLESTAR Automationのデータベースで一元管理される。
標準のポリシーに従って事前に定義された項目に守られているかどうかを定期的に点検可能。システムの健全性診断(ヘルスチェック)のジョブは自動で実行される。サーバーのOS別の構成点検や日常点検、OSのパッチ点検も点検する。サーバーOSの脆弱性も点検できる。システムの主要項目や主要ファイルに対するスナップショットを作成可能。標準サーバー構成との比較と変更履歴も管理できる。
設定済みのイメージファイルの一括セットアップが可能。サーバーやネットワーク機器の増設や入替作業を省力化できる。構成情報の最新の状況を常に把握しておくことで障害発生時の切り分けに活用できる。過去に起きた現象については、あらかじめ対処プロセスをジョブ化することで復旧するまでの過程を自動化することもできる。

Windows系ジョブのサンプル(出典:ワイドテック)
これまでの運用で培われた経験をもとにポリシーとジョブのテンプレートは500種類以上あり、導入してから短期間で本格運用できると説明している。報告書のテンプレートも50種類以上用意。照会情報はExcelに出力できる。ExpectやPerl、PowerShell、Python、Shell、VBScript、Windows Batchに対応しており、すでに作成、利用しているスクリプトを取り込むこともできる。
これまではエージェント方式だったが、最新版ではエージェントレス方式にも対応している。エージェント方式では取得する情報が多いが、日本企業はエージェント方式を嫌う傾向にあることから、最新版ではSNMPやSecure Shell(SSH)、Windowsシステムの状態を示す情報であるWMI(Windows Management Instrumentation)などを利用したエージェントレス方式にも対応する。
最新版では外部連携用のREST APIも搭載。オープンソースソフトウェア(OSS)の運用監視ソフトウェア「Zabbix」と組み合わせてZabbixからの障害アラートをトリガーに、障害回復処理を自動化するといったことも可能になる。
POLESTAR Automation V3では管理画面も刷新されている。これまでのGUIはFLASHベースだが、最新版ではHTML5ベースに切り替えることでブラウザプラグインに依存せずに利用できるようになっている。必要な情報を好みの場所に配置してカスタマイズできる、ウィジェット型ダッシュボードも搭載している。
最新版ではまた、ネットワーク機器へのコンフィギュレーションやアクセス制御リストの投入、ファームウェアのバージョンアップなどのねとワーク機器管理ジョブも用意している。金融業界で求められる高頻度のパスワード変更も手軽に利用できるという。ネットワーク機器だけを管理したいというニーズもあることから、専用パッケージとして「Network Edition」の提供も開始している。
ライセンス版のほかに、サブスクリプション版も提供する。最小構成数は20ノードで税別の年間使用料金は12万9600円から。