カスペルスキーは9月11日、グローバルで展開するパートナープログラム「Kaspersky United(カスペルスキー ユナイテッド)」を日本で導入することを発表した。10月1日に専用ポータルサイトを開設してパートナー企業の登録を受け付け、2020年1月1日からプログラムを運用する予定。なお、グローバル施策に加えて日本独自の施策も準備しているという。
Kaspersky アジアパシフィック地域担当 マネージングディレクターのStephan Neumeier氏
同日の会見でKaspersky アジアパシフィック地域担当 マネージングディレクターのStephan Neumeier氏は、グローバルの最新状況と日本市場に対する取り組みの概要を紹介、2019年の出来事としては、6月にブランド変更を実施した。従来は「Kaspersky lab」という文字を緑と赤の2色でデザインしたロゴだったが、これを緑一色のシンプルなものとし、文字も「Kaspersky」のみとした。
この変更の理由は、「ユーザーは以前から単に『Kaspersky』とだけ呼んでいた」「検索キーワードなどを登録して広告を行う場合は、キーワードが少ない方が、都合が良い」「『lab』に相当する言葉は言語によって異なり、ロシア語では文字数がかなり多いので不便」(Neumeier氏)といった点を挙げている。
新しいロゴ
加えて同氏は、同社の事業やデータ、ユーザーのプライバシーなどの透明性の確保に向けた取り組み状況も説明した。同社は、米国政府から不正関与の疑惑を掛けられたことをきっかけとして、透明性の確保のために第三者などがソースコードの検証などを行う「Transparency Center”の設置を進めている。
2018年末に最初の施設をスイスで開設し、2019年5月にはスペインのマドリード、8月にはアジア太平洋地域で初の施設をマレーシアのサイバージャヤに開設することを発表した。マレーシアのTransparency Centerでは2020年初頭に最初の来訪者を受け入れる予定だが、その後は日本や中国での開設を検討するという。同氏は日本でのビジネス状況について、現状でもグローバルトップ10に入っていることを踏まえ、「今後2年以内に、日本をグローバル収益に貢献するトップ5カ国に押し上げるべく、投資と事業の変革を継続する」とした。
カスペルスキー 代表取締役社長の藤岡健氏
国内事業の概況について代表取締役社長の藤岡健氏は、2019年初に掲げたビジネス戦略が順調に経過しているとした上で、改めて今後の目標に「3年後の売上高をコンシューマー事業で2倍、法人事業で3倍」と挙げた。2019年下半期の重点施策としては、コンシューマー事業では「チャネル経由のプロモーションの拡大やAmazon経由のサブスクリプションライセンスの本格展開、11月には新製品の販売開始」など、法人事業では「顧客支援体制の強化、インテリジエンス・サービスの拡大」と、今回発表の「新しいパートナープログラム」を挙げた。
Kaspersky Unitedの概要
パートナー営業本部長の佐藤輝幸氏は、Kaspersky Unitedについて説明。同プログラムでは、パートナーを取扱金額と認定資格者数を条件として「Registered」「Silver」「Gold」「Platinum」の4段階で設定しており、当然上のランクが高いほど利益性も高まる。パートナーに対する価値提供を重視したさまざまな施策を準備するほか、エンドユーザーにもメリットのある日本独自の施策として、注力製品である「Kaspersky Endpoint Security for Business Advanced」「Kaspersky Vulnerability and Patch Management」の価格改定およびアップグレード&乗換プログラムも提供する。