IBM、メインフレーム「IBM z15」を発表--データプライバシー機能を強化

Larry Dignan (ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部 2019年09月13日 11時26分

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 IBMは米国時間9月12日、サーバー統合、ハイブリッドクラウドアプリケーション、大規模トランザクションを視野に入れたメインフレームの新製品「IBM z15」を発表した。

 IBM z15は、顧客フィードバック、顧客重視、継続的な製品向上をフレームワークとするデザイン思考に基づいた、2つ目のメインフレームだ。このフレームワークを用いて最初に開発されたのは、2017年の「IBM Z」(z14)で、フットプリントを縮小していた。

 IBM z14は、旧来モデルの24インチに対して、19インチ・ラックを採用して小型化していた。現在は小型のフットプリントが主流だ。1つのシステムは1〜4台のメインフレームによって構成されるため、平均的な顧客はフットプリントの縮小により、旧来版と比べてスペースを50%、電力を10%削減できる。

 テクノロジー業界では、時代遅れだと見られがちなメインフレームだが、大企業はトランザクション処理で依存している。中国などでは、データセンターのスペースと使用電力を削減するために、メインフレームを検討している業種もある。

 またメインフレームは、IBMハードウエア事業の成功における重要な要素だ。同社のRed Hat買収により、IBM z15とIBM z/OSオペレーティングシステムは、「Red Hat OpenShift」や「Kubernetes」と連携できるようになった。IBMメインフレーム事業担当ゼネラルマネジャーのRoss Mauri氏は、「OpenShiftを搭載して、当社の方向性を明確にした。主要なすべてのプラットフォームにOpenShiftを搭載することが、当社の戦略だ」と述べた。

 メインフレーム製品ラインのIBM Zは、APIを介してパブリッククラウドとプライベートクラウドと連携できるため、より広範な開発者を引きつけることができるだろう。IBMは長年、メインフレームAPI戦略に取り組んできたが、最近になってようやく、クラウドおよびオンプレミスの開発者からの引き合いが拡大している。Mauri氏によると、開発者にとって魅力的なのは、「以前は不可能だったデータを取得できること」だ。Zシステムによって深層学習、人工知能(AI)、分析ワークロードのための基盤を構築しているという。

 Mauri氏は、「トランザクション処理を行う当社の顧客は、性能に影響を与えることなく、トランザクションと同時に分析したいと考えるようになっている」と述べた。またブロックチェーンと仮想通貨も、メインフレームの新たな市場として登場しているという。

 しかし、IBMメインフレームの主たる顧客は今も、銀行、保険会社、交通、金融サービス、政府機関だ。同社によると、IBM z15サーバー1台で、1日当たり最高1兆件のウェブトランザクションを実行できるという。

 IBM z15で注目すべき新機能は「Data Privacy Passports」だろう。z14で提供された暗号化機能を発展させたもので、z15で生成されたすべてのデータは暗号化され、パブリッククラウドやサードパーティー企業に移動しても保護される。Mauri氏の説明によると、データの生成者のみが暗号化キーを持ち、そのキーも追跡できるという。

 IBM z15は最終的に、Data Privacy Passportsを介して、あらゆる場所での暗号化を目指している。Data Privacy Passportsによって、移動するデータを暗号化できるため、パートナーやサードパーティー企業が原因となりがちなデータ侵害を防げるという点で、最も投資対効果を期待できる見通しだ。

 この機能が重要なのは、データプライバシーに関する規制に対応できるからだ。IBMはData Privacy Passportsによって、規制準拠を簡素化すると共に、データ保護の範囲を拡大したい考えだ。Mauri氏は本機能について、IBM z15の3年に及ぶ開発サイクルで特に重要だったほか、顧客からも多くの要望が寄せられていたと説明した。

 さらにIBMは、顧客が計画的ダウンタイムの計画作成を向上し、予想外のダウンタイムから迅速に復旧できるようにするツールを追加した。このInstant Recovery機能により、システム復旧に要する時間を半分に短縮できるという。これらは顧客から2番目に多かった要望である。

 IBM z15をIBM z14と比較した場合の主要な性能ベンチマークは、以下の通り。

  • コア当たりの性能を14%強化
  • システム容量とメモリーを25%
  • 暗号化が2倍高速
  • 基幹的ワークロード向けに、1日当たり暗号化されたトランザクション190億件を処理可能
  • 単一システムで240万個の「Docker」コンテナーに対応
  • Seven 9s(99.99999%)の可用性もしくは年間3秒のダウンタイム
  • COBOLのCPU使用量を50%削減
 
キャプション
提供:IBM

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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