ヴィーム・ソフトウェアは9月12日、プレス向けの事業戦略説明会を開催した。日本市場はグローバルでの事業を上回るペースで成長しており、3~5年後にバックアップ/リストアソフトウェア分野でトップシェアを目指すと表明した。

Veeam Software エンタープライズ戦略担当 バイス・プレジデントのDave Russell氏
まずグローバルの戦略について説明したVeeam Software エンタープライズ戦略担当 バイスプレジデントのDave Russell氏は、調査会社のレポートを紹介した。調査対象の半分以上の企業がバックアップシステムのベンダーの変更を考慮しているとし、バックアップ市場が成熟した成長余地のない領域だという見方を否定した。また、2018年のバックアップ/リストアソフトウェアの市場シェア調査の結果で同社が4位に位置付けられたことや、さらにグローバルで16%成長した一方、日本市場では150%という大幅な成長を記録していると述べた。

Veeam Software アジア太平洋・日本担当 シニア・バイス・プレジデントのShaun McLagan氏
アジア太平洋・日本担当シニア・バイス・プレジデントのShaun McLagan氏は、アジア太平洋地域の事業概要について説明し、この地域の成長率がグローバルの成長率を大きく上回っており、その中でも日本の成長が突出していると強調した。また市場のトレンドとして、2008~2018年が「ACT I」として最先端のデータセンターや仮想化技術などに投資が行われた期間だとし、2019年以降は「ACT II」としてハイブリッドクラウド関連の投資が増えていくと予測する。同社としては、“次”のクラウドデータマネジメント市場に向けた開発投資を継続し、この分野における「信頼されるパートナー」を目指すとした。

ヴィーム・ソフトウェア 執行役員社長兼バイスプレジデントの古館正清氏
日本市場の状況についてヴィーム・ソフトウェア 執行役員社長の古館正清氏は、ビジネスが急成長を遂げているとする一方、同社が理想とする「Veeamのソリューションを中核としたバックアップ統合基盤の構築」に向けた取り組みはまだ始まったばかりだと説明。現在の導入事例は、まずは従来型のサイロ構造のままになっているバックアップツールをVeeam製品に置き換えるという動きから動き出しているという段階だとした。

従来のサイロ化されたバックアップシステム(フェーズ1)を同社製品を中核に据えたバックアップ統合基盤(同2)に移行させ、さらにクラウドを活用したマルチクラウド環境(同3)に進化させていくという戦略。日本市場の急成長は、現時点ではフェーズ1の構成のままVeeam製品が入り始めている状況といい、フェーズ2以降はまだ先進的なユーザー企業という段階にあるという
今後はサイロ状態のサブシステムを統合し、より効率的な統合基盤の実現を目指して行くことで、3~5年後には国内のバックアップ/リストアソフトウェア市場でトップシェアとなるという目標を明確にした。