Pure Storageは、年次イベント「Pure//Accelerate 2019」を9月18日まで米テキサス州オースティンで開催している。会期中、NVMeベースのFlashArray製品ラインアップにクアッドレベルセル(QLC)NANDフラッシュベースの「FlashArray//C」を加えたほか、サブスクリプションブランド「Pure as a Service」も発表、Amazon Web Services(AWS)とMicrosoft Azureを中心にクラウドとの連携機能も強化した。
10周年のタイミングで開催するAccelerateは、この分野で競合するDell Technologiesのお膝元であるオースティンを開催地に選んだ。会場には、前年より約800人多い3000人強が集まった。
基調講演のステージに立った最高経営責任者(CEO)のCharlie Giancarlo氏は、この10年を振り返り、「オールフラッシュアレイとして成功した初のベンダーだが、それよりも重要なことは無停止アップグレード、AI(人工知能)を使った予測分析、クラウドデータ保護など、さまざまなイノベーションを届けた」と胸を張る。そして、次の10年に向けたキーワードとして「モダンデータエクスペリエンス」を掲げた。
Pure StorageのCEO、Charlie Ginacarlo氏
この背景にはデータが抱える課題があるーーそれまでアプリケーション固有のOS、データベース、ドライバーなどのスタックを構築していたのに対し、現在は仮想化が進んだ。コンピュートなどインフラの多くの部分が仮想化されて、さまざまな環境の間を動かすことができるようになり、データはアプリケーションスタックと密に結び付いている。
「データは量が増加し、重要性が増している。同時に、保存、活用、管理のそれぞれにおいて課題が大きくなっている」と同氏。ネットワーキングがインターネットに標準化され、サーバー環境が仮想化された。次はデータ環境が仮想化する時代の到来を予想する。実現に必要なのが、リソースのプールだ。さまざまな特徴ーーSCM、TLC、QLCといったストレージクラスをサポートし、オンデマンドでAPIを使って呼び出す。「どのアプリケーションでも、どの環境でも、どの場所からでも利用できるプールを構築したい」(Giancarlo氏)
※クリックすると拡大画像が見られます
※クリックすると拡大画像が見られます
今回のAccelerateでは、ハードウェアとして「FlashArray//C」や「DirectMemory Modules」、サブスクリプションサービスのリブランドとなる「Pure as a Service」、ハイブリッドクラウドのための「CloudSnap for Azure」を発表、「Cloud Block Store(CBS) for AWS」の一般提供を開始したことも明らかにしたが、全てがモダンデータエクスペリエンスを実現するためのステップとして位置付けている。
※クリックすると拡大画像が見られます