ゾーホージャパンは9月20日、「情報システム(IT)部門における働き方改革調査レポート」を発表した。これによると、働き方改革は「労働時間短縮」に関する項目が重視され、本質的な生産性向上には多くの企業では至っていないことが分かった。また、働き方改革において関与部門としてIT部門が最も多いにも関わらず、IT部門自体の生産性向上は立ち遅れていることも明らかになった。
![IT部門で働き方改革の効果が出ているテーマ上位6つ](/storage/2019/09/24/c4127c3b72d3aaad65fcb844c361f8e7/zo3.jpg)
IT部門で働き方改革の効果が出ているテーマ上位6つ
![企業で働き方改革の効果が出ているテーマ上位6つ](/storage/2019/09/24/eea52c2b714ad9bc5f8e4c6e926e1f3d/zo1.jpg)
企業で働き方改革の効果が出ているテーマ上位6つ
この調査は、全国の企業を対象に、IT部門に所属し、職務経験が3年以上、または勤務先の従業員規模数が100人以上(正社員数)の人に対してインターネット定量調査で実施された。調査期間は5月31日~6月3日。有効回答数は500件。
働き方改革に関する企業全体の取り組みは「長時間労働の是正」が85%を超え、効果が出ている項目でも「残業時間の削減」が75%を上回りともに1位だった。効果が出ているテーマでは、「システムやツール導入による業務の効率化」が25.5%、「業務の標準化やプロセスの改善」は15.2%だった。ゾーホージャパンではこの結果について、本質的な生産性に関わる業務の効率化についての効果は高くない結果となっているとしている。
IT部門での働き方改革の取り組みのうち、成果が出ている事項上位2つは、「残業時間の削減」「有給休暇の取得促進」。これは、企業全体での成果が出ている事項上位2つと一致するが、ともに約20ポイント程度低い結果だった。また、企業全体での傾向と同様に、IT部門の成果が出ている事項の「システムやツール導入による業務の効率化」が21.5%、「業務の標準化やプロセスの改善」は10.3%と本質的な生産性に関わる項目の効果は高くはない。
![全社とIT部門の効果の比較](/storage/2019/09/24/c88a3a7ea21034d773e92c67b0d9f99a/zo2.jpg)
全社とIT部門の効果の比較
IT部門に注目した場合、働き方改革の効果について「効果が出ている」「やや効果が出ている」の回答は企業全体での回答と比べた場合、マイナス7.2ポイントという結果だった。また、「効果がない」「あまり効果が出ていない」という否定的な回答は全社に比べプラス8.9ポイントとなり、IT部門への効果はやや立ち遅れていることを示唆していると、ゾーホージャパンでは見ている。
![IT部門の生産性について](/storage/2019/09/24/a27300c1927a5ccd63445f4a77301375/zo4.jpg)
IT部門の生産性について
直近1年間におけるIT部門の生産性の向上について尋ねたところ、「変わらないと思う」が約54%と多くを占めた。さらに生産性が「向上していると思う」は約13%、「生産性は低下していると思う」が約18%と、生産性向上に肯定的でない意見が多く示される結果となった。