地図情報における第3の波はオープンプラットフォームの活用
われわれは50年の歴史を持つ地図制作業界に新たな種をまく必要がある。それには地図情報における第3の波を起こす必要があると確信している。それはつまり、大手クラウド企業と専門家がオープンな地図情報プラットフォームを構築することだ。その特徴は以下のようなものだ。
- オープンであり、企業のユニークなロケーションデータを活用できる。現実世界の未来において、われわれは全てのデータとメタデータにアクセスできなければならない。完全な地図情報スタック上にユニークなロケーションデータを重ね合わせることができて初めて、他と差別化できるアルゴリズムを構築できるようになる。このような第3の波において、あらゆる企業の開発者は位置情報をフルに活用したアプリケーションを構築できるようになる。
- リアルタイムであり、物理世界の人々や自動車、機械の行動を可能にする。リアルタイムで動作するには数日前のデータではなく、数秒前のデータが必要となる。現実世界の未来においては常に最新のデータが必要であり、例えばあらゆる自動運転車(AudiやFord、Tesla、トヨタなど)においてアクセス、活用できる閉鎖車線のデータが高精細度マップ上にいつでも表示できるようになっていなければならない。第3の波がもたらすソリューションにより、自動運転車やその他の機械向けのリアルタイムのアルゴリズムも強化されるはずだ。
- クラウドの規模で、世界のあらゆる場所にある全てのデバイスからアクセスできる。先進的なデジタルビジネスは国境を越え、インターネットの次元まで規模の拡大が可能だ。第3の波において、データとソフトウェアはクラウド上に配置され、5G(第5世代移動通信システム)をはじめとするワイヤレスネットワークで運用され、あらゆる場所の人々や自動車、モノからアクセスできるようになる。この第3の波において、一部のソリューションは数百万単位のデバイスやエンドポイントにまで拡大され、「今すぐここで」というニーズに応えられるようになる。
これが実現した暁には大量のサプライヤーではなく、およそ4つの階層からなるアーキテクチャーを中心として整理された業界が形作られるだろう。現実世界の未来を生み出そうとする開発者やデジタル分野のリーダーからの要求は、MicrosoftやGoogle、Amazonをオープンマッピングプラットフォームの構築に向かわせることになるとわれわれは確信している。
本記事は、ForresterのバイスプレジデントでプリンシパルアナリストのTed Schadlerが執筆した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。