「ダイナブック」から30年、HPの新ノートPCに感じた“再来” - (page 2)

松岡功

2019-09-26 07:00

かつてのDynabookのような存在感を発揮できるか

 この新製品の内容もさることながら、筆者が今回、本連載でこの製品を取り上げたいと思ったのは、岡氏の冒頭の発言にもあるように、発表会見ではなく発表イベント、しかもHPとして日本では初めてグローバルに発信するイベントという力の入れようだったからだ。

 「Lightness in the New Era」(すべてを軽くする)をテーマに掲げた今回のグローバルローンチイベントには、日本だけでなくアジア地域から招待されたメディア関係者やパートナー企業、顧客企業などが参加。上記で紹介した新製品の発表会だけでなく、国内外の業界有識者による新たな働き方をテーマにしたパネルディスカッション、プロダクトショーケース、そしてパーティーも催された。

 これも日本HPのPC事業が非常に好調で、とりわけ法人を対象としたビジネス向けPCはこのところ倍増ペースで推移しているという勢いを、米HPが新製品発表に活用したというのが、筆者の印象だ。日本HPにとっては親会社に認められた証拠だ。岡氏が興奮するのも、もっともである。

 最後にもう1つ、筆者の印象を述べておくと、今回の新製品の斬新ぶりや発表会の熱気に触れて、ちょうど30年前に発表された製品の“再来”を感じた。その製品とは、大ヒットした東芝の「Dynabook」(ダイナブック)である。HP Elite Dragonflyと同じノートPCで、価格帯もグローバルに出ていくこともほぼ同じだ。

 Dynabookの発表会見も大勢の記者が押し寄せ、当時のデスクトップPCの性能をA4ノートサイズに実装した技術と、20万円を切る低価格に、PC活用の新たな時代の幕開けを強く感じたことを覚えている。

 果たしてHP Elite DragonflyもHPの思惑通り、働き方改革を支援する象徴的なツールとなって、かつてのDynabookのような存在感を発揮できるか。注目しておきたい。

HP Elite Dragonfly(出典:日本HP)
HP Elite Dragonfly(出典:日本HP)

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