Microsoftは米国時間9月23日、機能を大幅に強化した「.NET Core 3.0」を「Windows」と「macOS」「Linux」向けにリリースするとともに、「Visual Studio 2019」のバージョン16.3と「Visual Studio for Mac」のバージョン8.3をリリースしたと発表した。
同社は23日より開催している「.NET Conf」イベントで.NET Core 3.0を開発者向けに発表した。「.NET Core 3.0 preview」は5月のBuild 2019でリリースされている。Buildでは、「.NET 5」が次のメジャーリリースになると発表された。2020年前半にプレビューが公開され、2020年11月にリリースされる予定となっている。
.NET Core 3.0はアプリ構築の支援に向け、「Windows Forms」と「Windows Presentation Foundation」(WPF)を実装している。また今回、IoTプロジェクトの普及を支援するために、Linuxの稼働する「ARM64」チップや、「Raspberry Pi」をサポートするようにもなった。なおこのリリースでは「C# 8.0」と「F# 4.7」が同梱されている。
「Visual Studio 2019 16.3」と「Visual Studio for Mac 8.3」もリリースされており、.NET Core 3.0をVisual Studioで利用するにはインストールする必要がある。
同社は、.NET Core 3が過去数カ月にわたってdotnet.microsoft.com上やbing.com上でホストされているため「実戦で試された」としており、社内の他のチームも.NET Core 3.0で本番環境の大規模なワークロードをまもなく配備し始めると述べている。
「Windows Desktop」アプリが、Windows FormsおよびWPF向けに「.NET Core」でサポートされるようになった。なお、WPFデザイナーはVisual Studio 2019のバージョン16.3の一部となっているが、Windows Formsデザイナーはまだプレビュー段階であり、別途ダウンロードする必要がある。
Microsoftによると、.NET Core 3.0は複数のLinuxディストリビューションやmacOSに対応しているものの、Windows FormsアプリとWPFアプリはWindows上でのみ動作するという。これら2つのテクノロジーは、「Win32」アプリおよび「Universal Windows Platform」(UWP)アプリのギャップを埋めるための同社のソリューションの1つとなっている。
Microsoftによると、Windowsにおける.NET Core 3では、開発者がデスクトップアプリを「.NET Framework」から.NET Coreに容易に移行できるようにする狙いがある。
IoTの開発向けにARM64 on Linuxにも対応している。またMicrosoftは今回、Raspberry Piのようなデバイスを用いてセンサーデータを読み取ったり、無線でやり取りしたり、テキストや画像をディスプレイに表示するために、該当デバイスの汎用入出力(GPIO)ピンを利用できるようにする機能を開発者に提供した。
さらに、.NET Coreアプリはデフォルトで実行可能ファイルを生成できるようになるとともに、高パフォーマンスのJSON APIが新たに追加された。また、ガベージコレクターに対する負荷を低減するとともに、デフォルトでのメモリー使用量を小さくしたことで、同一サーバー上で数多くのアプリケーションがホストされる状況でメリットがもたらされる。.NET Coreは「Docker」向けにもアップデートされており、コンテナで.NETアプリケーションが効率的に動くよう改善されている。
同社によると、「.NET 5」の投入までに、.NET Core 3.0の後継として「.NET Core 3.1」をリリースするという。.NET Core 3.1は、長期サポート(LTS)リリースとして少なくとも3年間はサポートされることになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。