サッポロホールディングスとキヤノンITソリューションズは9月24日、人工知能(AI)を活用した商品需給計画システム「Supply Chain Planningシステム(SCPlanningシステム)」を構築したと発表した。サッポロビール、ポッカサッポロフード&ビバレッジ、サッポログループ物流のグループ3社が8月から利用を始めている。
SCPlanningシステムは、需要予測・生産計画・供給補充計画を担う。サッポログループとキヤノンITSが共同で標準業務を設計し、キヤノンITSの「FOREMAST」をはじめとする計画系ソリューションを活用している。
カテゴリーの異なる商品の業務フロー・システムを統一し、計画主導型のロジスティクス業務を標準化する。トラックドライバーの不足や事業構造の多様化、業務の属人化といった課題を解決し、在庫の適正化、物流の平準化、働き方改革の実現を図る。
需要予測・必要数計画ではFOREMASTを活用し、供給補充計画では物流平準化を可能とする新しいロジックを採用した。またAI技術の活用では、蓄積された知識をベースに自動選択した需要予測モデルの結果から必要量を決めて、生産計画や補充計画を自動で立案できるようにしている。

需給計画業務フローの見直し、グループ内統一(出典:キヤノンITS)

物流を平準化する補充計画(出典:キヤノンITS)
SCPlanningシステムの導入によって、従来の業務から市場の要求を先に捉える計画主導型業務にシフトし、在庫の適正化を進める。またロジスティクスを起点とした需給調整による輸送の平準化、データ収集・加工・可視化の自動化による意思決定を中心とした業務の高度化も見込む。また、グループ共通システムとして構築したことで、今後の投資の効率性も向上させる。