460億ドル(4兆9000億円)の市場の70%と言えば大変な規模だが、Gartnerの予想によれば、新しい社内アプリケーションの70%以上がいずれオープンソースのデータベース管理システム(OSDBMS)上で開発されるようになるという。Perconaが最近実施した大規模な調査では、そのオープンソースデータベースに関する市場動向が明らかになった。
この「Open Source Data Management Software Survey」は、オープンソースデータベース関連のさまざまなサービスを提供する企業であるPerconaが、オープンソースデータベース利用者の利用パターンや意見を把握するために実施した調査だ。アムステルダムで開催されたPercona主催のイベント「Open Source Database Conference」で発表されたこのレポートは、85カ国の836社の企業を対象として実施されたもので、動向を把握するには十分な規模の調査だと言えるだろう。
複数データベースの利用とNoSQL
レポートで最初に挙げられた調査結果は、Perconaやこの分野で働く多くの人の見方を裏付けるものだった。ほぼすべての回答企業が複数のデータベースを利用しており、しかもオープンソースデータベースを利用しているケースが多かった。興味深いのは、「ポリグロットパーシスタンス」(データストレージに対する異なるニーズに対応するために、複数のデータストレージ技術を利用すること)に関する調査結果だ。
回答企業の73%がリレーショナルデータベースとほかの種類のデータベースの併用しており、54%は非リレーショナルデータベースを利用していた。ただし、このグラフを読むときには、少し注意してもらいたいことがある。このレポートやグラフでは、非リレーショナルデータベースのことを「NoSQL」と表記している。このような表記をしているのは簡潔さと読者のなじみやすさを考えてのことだろうが、データベースが持っている機能の観点から言えば、誤解を招きかねないものかもしれない。
今日では、多くの非リレーショナルデータベース(あるいは、「Hadoop」などのソリューションを含めるのであれば、データ管理プラットフォームと言うべきだろう)がSQLをサポートしている。今では「NoSQL」は「not only SQL」を意味するとされているため、表現として間違っているわけではないが、SQLはリレーショナルデータベース以外でも利用されているという事実については知っておいた方がいいだろう。ポリグロットパーシスタンスに関する回答を解釈する上では、このことを念頭に置いておく必要がある。
ほとんどの回答企業は複数のデータベースを使用している。
提供:Percona