“データ体験の近代化”図るピュア・ストレージが提供する新技術の可能性 - (page 2)

阿久津良和

2019-10-10 06:45

 ハードウェア群では、不揮発性メモリーモジュールの「Intel Optane」を搭載したモジュール「Direct Memory」が興味深い。NAND型フラッシュメモリーとして企業向けで一般的に使われているシングルレベルセル(SLC)よりも高速なOptaneを採用している。

 「FlashArray//X70」「FlashArray//X90」に直接接続することで、信頼性と性能を求めるアプリケーションのストレージキャッシュとして期待できる。Pure Storageによれば、25~50%の遅延削減と最大25%のCPU使用率削減により、アプリケーションは最大2倍高速になるという。

Optaneを搭載したモジュール「Direct Memory」
Optaneを搭載したモジュール「Direct Memory」

 クライアントPCで主に活用されているクアッドレベルセル(QLC)のNAND型フラッシュメモリーを搭載することで価格を抑えられるというフラッシュアレイ「FlashArray//C」も紹介された。

 QLCは信頼性に乏しいというイメージがあるものの、同社は「ライトサイクルが低いので注意深くデータを書き込む」(Kixmoeller氏)ようにソフトウェア最適化を図り、問題を解消した。他のフラッシュアレイと同じく永年消耗交換保証を備える。容量のスケーリングにも対応し、最上位モデルはRAW容量1.4PBに対して実効容量は5.2PBにおよぶ。

「FlashArray//C」の概要
「FlashArray//C」の概要

 Pure Storageは2018年に自社製品をサブスクリプションモデルで提供するEvergreen Storage Service(ES2)を発表しているが、今回「Pure as a Services」にリブランディング(ブランド再構築)した。同社は「IDCの調査によれば、クラウド化が進む世界で顧客の消費志向も変化し、58%がサービス化を好んでいる」(Kixmoeller氏)と理由を説明。また、ファイルとオブジェクトの両方に対応する「FlashBlade」ファミリーに150ブレードの「FlashBlade FB」を追加した。単一ラックで約8PBのストレージ容量を得られる。

「FlashBlade FB」の概要
「FlashBlade FB」の概要
ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役社長 田中良幸氏
ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役社長 田中良幸氏

 日本法人代表取締役社長の田中良幸氏によると、国内のストレージ市場は、2019年上半期のオールフラッシュアレイ分野は50%、ハイブリッドフラッシュアレイ分野は23.6%の成長を見せたが、オールハードディスクアレイ分野は17%減。日本法人の成長比率も2019年第2四半期は176%と「ストレージ収益は10倍の成長速度」(田中氏)と好調ぶりをアピールした。

 特に大企業やサービスプロバイダー、地方自治体分野における新規顧客企業や自治体数は47%に増加したという。国内のITは経済産業省提唱の「2025年の崖」が大きな課題となっているが、田中氏は「同省との連携も進めている。課題を解決するため『Modern Data Experience』を企業戦略とするデータアプローチを続けたい」と述べた。

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