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電子署名で18日を22時間に短縮--ソニー銀行のデジタル化成功の勘所

渡邉利和

2019-10-15 07:15

 ソニー銀行(千代田区、従業員数498人)は、名前の通りソニーグループの中で“ソニーフィナンシャルグループ”に属するインターネット専業銀行だ。企業理念として“Be fair”「フェアである」を掲げ、個人顧客向けに各種金融サービスを提供する。営業開始は2001年で、国内のインターネット専業銀行としては2番目にスタートしており、先駆者として市場を切り拓いてきた歴史を誇る。

 主力商品は「住宅ローン」と「外貨預金」で、外貨預金関連では今年9月に全日空(ANA)グループとの提携を発表、ANAのマイレージが付けられる外貨定期預金を11月から開始予定、多通貨に対応するデビットカードの取り扱いを9月から開始している。また、銀行では初となるクラウドファンディング(Sony Bank GATE)を2017年から開始するなど、先進的な取り組みを続けている。

「非対面ローン」が当たり前に

重田浩治氏
重田浩治氏

 住宅ローンに関する同社の取り組みも先進的だ。2002年に同社が始めた「非対面でローンが組める」サービスは、当時国内初の画期的なサービスとして高く評価されたという。しかし、同社のローン業務部 副部長 兼 業務企画課長の重田浩治氏は「その後ネット銀行が増え、“住宅ローンを非対面で”は当たり前となってきた。われわれよりもさらに進んだサービスや手続きを提供する競合も出てきている」と、先駆者ならではの苦しみを語る。

 ITの進化の速度は速く、次々に新しいサービスが生まれている。イノベーションのタイミングとうまく合致すれば、後発でも先行企業を一気に追い越すことができる。先駆者としての立場に安住するのではなく、逆に追う立場としてサービスの一層の充実に努めていると説明する。

 同社の住宅ローンは外部の「顧客満足度ランキング」で9年連続でナンバーワンを獲得。顧客対応の質の高さには定評があるという。この水準に合わせて商品自体の魅力向上、手続き面での利便性向上に取り組み、実現したのが2019年6月から開始された「電子契約サービス」だ。

 前述の通り、同社の非対面での住宅ローン契約のサービスは他社に先駆けた先進的なサービスとして実現しているが、今となっては古くなってしまった部分もあったという。長引くマイナス金利政策で、利益が出にくくなり、不動産関連業務では古くからの紙ベースの業務が多く、処理負担が重いなどの問題があるという。

 そこで、まず2018年5月に「人工知能(AI)を活用した住宅ローン仮審査の自動化」をスタート。従来人手に頼っていた与信判断をAIが自動で行い、通常2~6日程度掛かる仮審査結果が最短60分で回答できるようになったという。利便性が大幅に向上したと説明する。

 この成果を踏まえ、さらなる「オペレーションの効率化」のために各種手続きを見直し。電子契約が検討テーマとして浮上したという。

既存の業務フローとの親和性を重視

 同社では、重田氏を中心に2~3年前から電子契約に関する調査を開始。専用パッケージを含む各社製品を比較検討したという。全てを高水準で満たす「バランスの良いソリューション」として選択されたのが電子署名サービス「Adobe Sign」である。

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