シンプルパックならではの3つの特徴とは
改めて、シンプルパックの特徴について3つのポイントを挙げておこう。
1つ目は、シンプルな監視項目と自動運用である。システムの死活監視、リソース監視、正常性確認、ログ監視など、よく使用される監視項目をテンプレート化し、IIJの監視モジュールでシステム監視を実施。監視対象となるシステムへの初期設定はIIJが代行するため、顧客側での煩わしい作業は不要になり、短期導入が可能となる。
2つ目は、復旧作業の自動化である。アラートを検知した場合は、事前に定めたルールに基づき、コマンドセットやスクリプトを実行してサーバやプロセスの再起動を自動で行う。アラートは電話またはメールで自動通知され、チケットとして自動起票されるため、顧客側における負荷軽減や迅速な初動対応を図ることができる。
3つ目は、安価でシンプルな価格体系である。シンプルパックの税別提供価格は、初期費用がサーバー1台あたり1万円(4台以下の場合は初期費用5万円)、月額費用がサーバー1台あたり1万円。システムの監視、運用にかかる設定が済んだ状態で提供し、オペレーションを無人化することにより、安価な初期費用と月額費用で利用できるようにしたという。
以上がIIJの新サービスの概要だが、筆者が今回このサービスを取り上げたのは、企業のIT環境がこれからハイブリッド、マルチクラウド化していくなかで、企業規模に関わらずユーザーとして最も注意しなければならないのが「運用管理」だと認識しているからである。
とりわけ、2つ以上のクラウドサービスを利用するマルチクラウド環境では、IIJをはじめとしたクラウドベンダーなどが提供するマネージドサービスを適用するにしても、全体の運用管理についてはユーザー側でしっかりと把握しておく必要があると考える。
そうした観点から、今回のIIJの新サービスは中堅中小企業にも導入しやすく、全体を把握できる仕組みにもなっている点に注目した。いずれにしても、ハイブリッド、マルチクラウド時代を迎えたなかで、全体の運用管理を決して甘く見てはいけないというのが、今回の筆者のメッセージである。