
会議に参加する形でプレゼンテーションデータが共有される
昨今は働き方改革が各所で叫ばれ、「いつでもどこでも仕事ができる」といいながらも、PR担当者や登壇者、記者は記者会見場に出向かなければならない。これだけデジタル化が進み、日本マイクロソフトも「Skype for Business」をアピールしていた頃は「距離と時間を縮める」と述べていた。
よく記者仲間で話題に上るのが「われわれが一番働き方改革から遠い」という笑い話。常日頃からオンライン会議で登壇者のスピーチを聞き、プレゼンテーションデータはPDFで事前共有できればスマートだ。
日本マイクロソフトに挑戦の理由を尋ねたところ、「Teamsを顧客利用の観点や顧客の活動に役立つ点を理解していただくため、記者の皆さまにもTeamsでオンライン会議に参加していただく機会にした」(同社広報担当者)と筆者に語った。
参加した記者は筆者を含めた操作ミスによるハウリングや音声漏れなど目を伏せる場面があったのは事実である。それでも、前述の広報担当者が質問を受け付ける旨をTeamsに投稿し、筆者が“いいね”を押したように説明会の場で相互的なコミュニケーションが生まれるのは従来とは異なる体験だった。

残念ながらオンラインで参加した記者からの質問は集まらなかったが、Teamsでもコメントに対して「いいね」などリアクションできる
別の広報担当者によれば、米本社も記者が本社所在地であるレドモンドに集まるのはレアケースだという。もちろんケースバイケースだが、米国は土地が広く、移動負担も高いため、記者説明会にTeamsを使う例は珍しくないそうだ。
働き方改革は労働人口の減少など諸問題を解決するため、「柔軟な働き方がしやすい環境整備」など9分野の改革計画を掲げているが、移動時間など多くの課題を抱えているのが記者業界の実状だ。日本マイクロソフトは今後もTeamsを使った記者説明会に挑戦するという。その一点において同社の今回の取り組みを評価したい。