三井住友カードのデータ分析支援サービスにみる「DX時代の新たなビジネス」 - (page 2)

松岡功

2019-10-24 07:00

小売店や飲食店などでも利用できるサービスへ

 Custellaの具体的なサービスは、次の3つがある。

 1つ目は 「Custella Insight(カステラインサイト)」。それぞれの企業に関するキャッシュレスデータ(売り上げなど)に統計化された顧客属性データ、購買実績データ、業界消費動向データなどを掛け合わせた分析データをウェブでいつでも閲覧できるようにしたサービスである。

 2つ目は「Custella Analytics(カステラアナリティクス)」。それぞれの企業の課題やニーズに対して、キャッシュレスデータと企業が保有するデータ、天候データなどを掛け合わせた分析、独自の切り口での詳細分析、考察レポートを提供するサービスである。(図2)

図2:Custella InsightとCustella Analyticsの概要(出典:三井住友カードの資料)
図2:Custella InsightとCustella Analyticsの概要(出典:三井住友カードの資料)

 3つ目は「Custella Promotion(カステラプロモーション)」。Custella InsightとCustella Analyticsにおける分析結果をもとにそれぞれの企業におけるプロモーションのサポートを行うサービスである。

 なお、Custellaのネーミングは、「カスタマー(顧客)を照らす」の「カス」と「照ら」、そして「Customer Intelligence」の「Cus」と「tell」を組み合わせたものだ。同社では「BI(ビジネスインテリジェンス)」と呼ばれる分析ツールサービスが存在する中、それぞれの企業の「顧客」を対象としたデータ分析支援サービスを提供したいという想いから、「Customer Intelligence」という理念をもとに「Custella」というサービス名をつけたとしている。

 以上が、三井住友カードの新サービスの概要だが、いよいよこうしたサービスが出てきたか、というのが筆者の第一印象だ。どういうことかというと、DXを推進する企業が、自らが保有する貴重なデータをマーケティングなどに使えるようにして商材として売り出した象徴的な動きだからだ。これはまさしくDX時代に求められる新たなビジネスである。

 今回の新サービスは一見、大手企業向けのようだが、三井住友カードでは中小企業、小売店や飲食店などでも利用できるように、それぞれの顧客の属性に応じて分析したデータを月額5万円からの料金で販売するという。例えば、同じ地域に住む同世代の女性の購買動向を分析するといった用途がありそうだ。

 今後、さまざまな分野でDXを推進する企業が相次いで、マーケティングなどに役立つデータの分析支援サービスを手掛けるだろう。データを分析するプロの人材不足が懸念されるが、マーケットが非常に大きくなるのは間違いない。大いに注目していきたい。

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