日本マイクロソフトが注力している3つのクラウドサービスを「3(スリー)クラウド」と呼んで一層前面に押し出し始めた。3つのクラウドといえば、同社はかつて「クラウド3兄弟」と呼んでいたことも。果たして再挑戦は奏功するか。
日本マイクロソフトが「3クラウド」を積極的にPR
日本マイクロソフトが先頃、主力のクラウドサービスの最新動向について記者説明会を開いた。同社が説明したのは、クラウドプラットフォームの「Microsoft Azure」、Office 365を軸とした「Microsoft 365」、ビジネスアプリケーションの「Dynamics 365」の3つ。同社では最近、この3つのクラウドサービスを「3(スリー)クラウド」と呼んで一層前面に押し出し始めた。
会見では、それぞれのサービスの事業責任者が最新動向について説明した。その内容については関連記事をご覧いただくとして、ここでは3クラウドに関連して筆者が注目した点を挙げたい。
まずは、「デジタルフィードバックループ」という言葉だ。一言でいえば、あらゆる環境においてさまざまなデータをシームレスに活用できるようにすることだ。「企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みは、このデジタルフィードバックループを実現することが不可欠」というのが同社の主張だ。
では、デジタルフィードバックループが3クラウドとどう関係があるのか。それを端的に表したのが、図1である。データの上に3クラウドの要素が乗っかった形を表しているが、要は、3クラウドを使えばデジタルフィードバックループが実現しやすいということだ。ただ、誤解のないように付け加えておくと、デジタルフィードバックループはオープンな環境で、3クラウドだけに閉じたものではない。
デジタルフィードバックループと3クラウド
今後、同社がデジタルフィードバックループという言葉に執着して定着させようとするかどうかは分からないが、この言葉によって「DXはデータをいかに活用できるかが“肝”」と訴求したいことは、今回の説明でよく分かった。