KPMGコンサルティングは「ビジネス戦略の実現のために自社ではどの程度デジタル技術を活用できているか」という質問に「極めて効果的」または「非常に効果的」と答えた企業を「デジタルリーダー組織」と呼んでいる。2019年度におけるデジタルリーダー組織の割合は、全体の30%だったという(2018年の調査では、22%)。
浜田氏は「デジタルリーダー組織は、さまざまな要素において競合他社を上回っている」と説明。その結果、収益の拡大につながっているとしている。デジタルリーダー組織の特徴は、以下の6つだ。
- 経営層は価値の創出を優先
経営層がIT部門に対応を望む最優先課題を聞いたところ、非デジタルリーダー組織が「安定的で一貫性のあるIT」と答えているのに対し、デジタルリーダー組織は「新製品・サービス」と回答。外向きの取り組みを優先していることが分かった。コスト削減よりも収益拡大を求めている企業は76%(非デジタルリーダー組織は58%) - 経営層がDX(デジタル変革)の舵取り
デジタルリーダー組織のうち、テクノロジーリーダーがCEO(最高経営責任者)直属である企業が44%(非デジタルリーダー組織は38%)、経営層の一員である企業が66%(非デジタルリーダー組織は57%) - IT部門と事業部門が密に連携
テクノロジーの変革を進めるに当たり、テクノロジーリーダーがビジネスリーダーと連携している企業が54%(非デジタルリーダー組織は18%)。ビジネスマネージドITを促進している企業が16%(非デジタルリーダー組織は11%)で、IT部門がIT予算の管理を手放す動きがある - スピード重視
成功したら早期に検証規模を拡大し、失敗すればすぐに打ち切る企業が44%(非デジタルリーダー組織は14%)で、失敗の見極めが早いといえる。アジャイルやDevOpsなど、プロジェクト遂行を迅速にする手法を全体で採用している企業は49%(非デジタルリーダー組織は15%) - 大局的な考え方を重視
短期的なプロジェクトとしてではなく、製品としてテクノロジー導入を推進している企業が50%(非デジタルリーダー組織は16%)。IT部門と事業部門からなる部門横断型チームを活用している企業が56%(非デジタルリーダー組織は23%)で、全体をチームとみなしている - とにかくデータ重視
保有するデータの価値を最大化している企業が35%(非デジタルリーダー組織は9%)。全社的なデータマネジメント戦略を保持している企業が36%(非デジタルリーダー組織は10%)で、戦略的に考える習慣がついているといえる