松岡功の「今週の明言」

米マイクロソフト幹部が見せた「Surfaceブランドへの執着」

松岡功

2019-10-25 10:39

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、米MicrosoftのMatt Barlow コーポレートバイスプレジデントと、New Relicの小西真一朗 代表取締役社長の発言を紹介する。

「Surfaceブランドのデバイスを今後も広げて成長させていきたい」
(米Microsoft Matt Barlow コーポレートバイスプレジデント)

米MicrosoftのMatt Barlowコーポレートバイスプレジデント
米MicrosoftのMatt Barlowコーポレートバイスプレジデント

 日本マイクロソフトが先頃、自社デバイスである「Surfaceシリーズ」の新製品についてのプレスイベントを行った。通常の記者説明会とは違い、米Microsoftから製品関連の責任者やデザイナーが来日し、パネルセッション形式で新製品の詳細や開発の背景、デザインの考え方などを説明した。冒頭の発言は、米国本社のコーポレートバイスプレジデントを務めるMatt Barlow (マット・バーロゥ)氏が、パネルセッション後の質疑応答で、Serfaceブランドへの思いについて聞いた筆者の質問に答えたものである。

 パネルセッションには、米国本社からBarlow氏のほか、ゼネラルマネージャーのAndrew Hill(アンドリュー・ヒル)氏、プリンシパルデザイナーのTim Escolin(ティム・エスコリン)氏が登壇し、日本マイクロソフト執行役員常務コンシューマー&デバイス事業本部長の檜山太郎氏が進行役を務めた(写真1)。

パネルセッションの様子。左から、檜山氏、Barlow氏 、Hill氏、Escolin氏
パネルセッションの様子。左から、檜山氏、Barlow氏 、Hill氏、Escolin氏

 新製品の紹介やパネルセッションの内容については関連記事をご覧いただくとして、ここでは今回の新製品の中でも特に注目された「Surface Neo」と「Surface Duo」について触れておきたい。

 Surface Neoは、9インチのディスプレイを2枚搭載した2in1のミニノートサイズのPC。2画面PCに最適化された新しいOS「Windows 10X(テンエックス)」を搭載する予定だ(写真2)。

Surface Neoを手にするBarlow氏
Surface Neoを手にするBarlow氏

 Surface Duoは、5.6インチのディスプレイを2枚搭載したスマートフォン。OSはWindowsではなくAndroidで、MicrosoftだけでなくGoogleのアプリも利用できるという。

 パネルセッションの話を聞いて筆者が最も強く感じたのは、これまでにも増してのSurfaceブランドへの執着だ。新製品の細部にわたるこだわりとともに、Surface NeoやSurface DuoもミニノートPCやスマートフォンの領域へ打って出るというより、Surfaceシリーズのラインアップを広げたことを強調していた。

 「Surfaceの目的は、仕事の生産性を向上させること。それはNeoもDuoも同じだ」というBarlow氏 の言葉が印象的だった。

 筆者は質疑応答で、「今後、どんな用途に向けたデバイスでも引き続きSurfaceブランドで通すのか」と聞いた。冒頭の発言がその答えだが、さらにBarlow氏は、「私たちはブランドが何を意味するのかをいつも考えているし、執着している。ファンの熱意もエコシステムの広がりもブランドが大きな支えとなっている」と語った。筆者は今後もSurfaceをブランドという観点で注目していきたい。

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